昭和に改元される前年の大正14年(1925)に生まれ、昭和61年(1986)に没した牧野邦夫は、まさに「昭和という時代を生きた画家」でした。昭和18年(1943)、東京美術学校(現・東京藝術大学)油画科に入学、伊原宇三郎、安井曾太郎から指導を受けますが、同20年(1945)5月に召集され、翌年復学。同23年(1948)に卒業したのちは、特定の絵画団体などに所属することなく、個展を開催して発表を続けます。終生、権威的な画壇とは無縁だった牧野の作品は、美術館にはほとんど収蔵されず、個展を開催するたびに、熱心な個人コレクターが買い求めて、その多くは秘蔵されてきました。少年の頃に憧れたレンブラントを終生敬愛し、古典的な写実技法を突き詰めた創作を模索し続けた牧野。
 本展は、2013年に開催された2回目の回顧展から12年の時を経て、牧野の生誕100年を記念した展覧会です。コレクターの方々が秘蔵する作品を中心に、昭和時代を駆け抜けた牧野の画業を振り返るとともに、令和の時代にその作品の意義を問いかけます。牧野邦夫は、モダニズムなど眼中になく、終生、ある意味愚直に描き続けた人でした。そんな彼の絵描き魂が召喚され、この令和の時代に、昭和の画家が甦ります。

《トークイベント》
開催記念対談 ―昭和を生きた画家・牧野邦夫―
牧野 千穂氏(牧野邦夫夫人)×山下 裕二氏(本展監修者・明治学院大学教授)
コーディネーター:森谷 美保氏(東京工芸大学教授)

■会場:TKPガーデンシティ京都タワーホテル4階
■日時:2025年10月11日(土) 開場 13:40 開演 14:00(終了予定 15:30)
■定員:150名(指定席/未就学児の同伴不可)
■参加料:一般 1,500円、学生1,300円(税込/展覧会入館券付き)
    ※高・大学生の方は学生証をご提示ください。
■参加券販売:2025年8月30日(土) 10:00よりローソンチケット(Lコード55752)にて販売

※展示作品やイベント内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。