古材には、人の生活と時間の蓄積が刻まれている。

古材をモルタルという現代的な素材と組み合わせることで「かつて」と「いま」との関係性を再構築する。しかし、両者は完全に融合することはない。そこには常にわずかなずれや境界線が残り続ける。

その「あいだ」にこそ、時間の連続性と断絶の両方が同時に現れる。

「かつて」と「いま」を単純に対比するのではなく、そのあいだに揺らぐ時間の感覚に目を向ける試みである。素材に刻まれた痕跡を通して、見る者自身の中にある時間の層へと静かに接続してゆく。