この度、サンリツ服部美術館では、茶道具の由緒や伝来に注目した展覧会を開催いたします。
茶の湯において、由緒は道具を入手した経緯、伝来は寺社や大名家などで代々受け継がれてきたこと、あるいは持ち主の変遷を意味します。茶会記や名物記、道具の箱の書付や添え状などに記された由緒や伝来からは、さまざまな人の手を経て今日まで大切に伝えられてきたことだけでなく、並々ならぬ情熱をもって道具を蒐集し、茶の湯を楽しむ人々の姿までもが目に浮かんできます。
 本展では、本阿弥光悦が嫁ぐ娘のために振袖の裂に包んで持たせたという国宝「白楽茶碗 銘 不二山」をはじめ、持ち主が変わるたびに銘を変えられた「瀬戸新兵衛茶入 銘 弁舌」や、明治~大正期の元勲・井上馨が入手した喜びから、さらに七重目の箱を誂えた「黒楽茶碗 銘 雁取」など、茶道具の優品を公開いたします。
 それぞれの茶道具が歩んできた歴史をたどりながら、作品の鑑賞をお楽しみいただける機会となりましたら幸いです。