オープニングレセプション:7月23日(木)17:00–21:00(予約不要) 

【展覧会コンセプト】

本展は、ヒョーゴコーイチ、足立真輝、官野良太の三名によるグループ展です。
三名の作品には、それぞれ異なるかたちで自然的なものが現れます。ヒョーゴコーイチは、木を炭化させることで、火を経た素材の黒、艶、割れ、時間を作品として立ち上げます。足立真輝は、白や生成り、紙、木、建築的な構造や余白を通じて、身体と空間の感覚を静かに開きます。官野良太は、光、反射、透過、揺らぎといった現象を通じて、物質と自然現象のあいだにある感覚を引き出します。

本展でいう「自然のデザイン」とは、自然を装飾的なモチーフとして扱うことではなく、素材や現象の中にある形、秩序、変化を、それぞれの作家が自身の文脈から捉え直すことを指しています。

木が火を経て炭になること。紙や木が構造や余白を生み出すこと。光が反射し、透過し、揺らぎとして現れること。

それぞれの素材と現象による表現を通じて、三名の作品は、自然を風景としてではなく、変化し続ける感覚や関係性として立ち上げます。

展示全体としては、落ち着いた雰囲気の中で自然的なものを見つめる構成を目指します。一方で、それぞれの作品は、炭の強い黒、建築的な余白、光の現象といった明確な特徴を持っています。静かな空間の中に、素材や現象が持つ個性が際立つ展示です。

夏の光と影が強まる季節に、炭の黒、白や生成りの余白、淡い光の揺らぎが静かに響き合う場をつくります。
── Seibundo Gallery 主宰 内山明夫


「自然のデザイン」は、炭、紙と木、樹脂という異なる素材を扱う三名の作家が、それぞれの手つきで“自然的なもの”を立ち上げる展覧会です。画像で作品が完結しがちな時代だからこそ、炭の艶や光の揺らぎのように、実際にその場に立ってはじめて出会える表現の豊かさをお届けしたいと考えました。国際的にも通用する若手作家たちの仕事を、ぜひ会場でご覧いただければ幸いです。

ヒョーゴコーイチ|Kooichi Hyooogo
https://www.instagram.com/k_hyooogo/
2017年から「竹炭」を用いて作品の制作を始めながら、他の樹々はどのような炭になるだろうと実験をした結果、誰もが見たことがないであろう新しい輝きをする「檜木の炭材」に出会え、この炭なら独自の表現できるのではと2019年に炭化彫刻家として活動を始めました。2023年から炭窯のある栃木県の山間にて創作活動をしております。


足立真輝|Masaki Adachi
https://www.instagram.com/masaki_adach/
足立の活動に通底するのは、「傍らにあるもの」がやがて制度的な支えとなり、表象の動機へと転化していく、いわばパレルゴン的な構造への関心である。そうした構造は、精神の拠り所として自己の輪郭を形づくる一方で、その認識をも拘束する。この両義的な力学のあわいにおいて、手法や認識の枠組みそのものを問い直しつつ、物質と概念の往還の中で「抽象」と「表現」が漸近していくような実践を展開している。


官野良太|Ryota Kanno
https://www.instagram.com/kanno_ryota/
1988年神奈川県横浜市生まれ。
多摩美術大学彫刻学科卒業、東京藝術大学大学院美術教育修了。
主に透明樹脂を用いて、人の内面や記憶をテーマに制作している。
現在制作するものは反射や透過によって生み出される光の彫刻である。
自然現象を彫刻の要素に加えて、その融合とコントラストを追求している。