この度、iwao galleryでは波多野光植物画展「からまるもつれる」を開催いたします。
波多野光は、イラストレーターとしての経験を背景に、植物をモチーフとした絵画制作を続けています。波多野の描く植物は、確かな観察眼を起点に、微細な一部分を誇張し増殖させ画面に取り込む。背景を削ぎ落とし、大胆に植物を配置した構図には静かな緊張感があります。存在感や質感を捉えながら植物を彫刻的に浮かび上がらせるその表現には、イラストとは異なる、ひとりの画家として植物と向き合う姿勢が現れています。
本展のタイトル「からまるもつれる」は、植物の姿形が持つ原初的なイメージに由来します。蛇行する茎から枝分かれし、絡み合い増殖するその形態は、植物が持つ生命のリズムそのものともいえる。波多野が描くしなやかで量感のある曲線は、植物が内包する生命力を象徴するようでもあります。
「圧倒的にそこに在る力を、ただ受け取る作業である」と波多野は言います。
波多野の目を通して捉えられた植物は、単なる自然物の描写を超え、生命の艶めかしさを帯びて立ち現れ、古典的な植物画の系譜を受け継ぎながら、現代的なスケール感と絵画的な構成によって描き出される。その姿は、繊細でありながら力強く潜在的なエネルギーを秘めています。是非、この機会にご高覧ください。