1989年にドイツに渡り、西洋由来の「絵画」を描くことの困難に直面した長谷川は、それまでの絵を捨てるための、自己の弔いともいうべき制作の日々を過ごします。そして1992年にオランダに移ると、ようやく自分の絵をつかみ始めます。勢いのある筆で、3メートルを超すような大画面に描き出されたのは、生姜のようにも、障壁画の松の巨木のようにも見える形で、その異様さと滑稽さは、現在に続く長谷川の絵の始まりをしるすものといえるでしょう。...
本展では、長谷川の長年の制作を新旧織り交ぜながら紹介し、そこにある徹底した意志と軽やかな展開とを明らかにします。また古今東西、多くの作品を見ることに徹してきた長谷川の眼と、一方で、高尚な芸術とは別に育まれた独自の感受性にも着目し、当館コレクションと長谷川の作品および彼の雑多な蒐集品とで構成した一室を設け、その世界を体験していただきます。
長谷川にとって美術館での初の大規模個展となる本展をぜひ、ご覧ください。[美術館サイトより]