日本の学校の教材教具や学用品は、時代ごとの教育や社会の変化に応じて使われてきました。明治期には近代的な学校制度が整えられ、教科書をはじめ、石盤や石筆、筆・墨・硯、そろばんなどが学習に用いられました。また、標本や模型、地図、掛図なども導入されるとともに、実物を観察しながら学ぶ教育が重視されるようになりました。
大正期から昭和初期には自主性を重視する教育の広がりにともない、実験器具や工作用具、楽器など、体験的な学習を支える教材が充実してきました。この頃には学用品の標準化も進みましたが、戦時中には物資不足のため代用品が使われるなど、学用品にも時代の影響が反映されています。
戦後になると、民主化教育の理念のもと、教材教具は児童生徒の主体的学習を促す方向へと再編されました。同時に、視聴覚教育が重視され、映写機、スライド、レコード、後にはテレビやビデオ、OHP などが普及し、近年は ICT 活用へと役割を拡張してきています。
本展では、明治期からの小学校の教材教具・学用品を機能・形態別に分類し、それらが教育内容をいかに具体化し、いかに教授・学習を支えてきたかを紹介します。