この度、ホワイトストーン銀座新館では、坪田昌之による個展「The Unfixed」を開催いたします。

「The Unfixed」は、色彩や素材によって立ち現れる物質の気配や生命性、作品が置かれることで生じる空間の変容、そして見る位置の移ろいによって変化する像——作品を起点に、存在、空間、知覚へと連なる諸相をめぐる坪田の思考を示唆する言葉です。

本展では、これまで坪田が継続的に取り組んできた《the layer of self》《the wall of self》《the core of self》を軸に新たな作品群を展示するとともに、坪田の制作の基盤となるドローイング作品もあわせて発表いたします。

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The Unfixed
坪田昌之

私の作品は、一つひとつの作品を独立したオブジェクトとして完結させることよりも、作品がどのように空間に影響を与え、どのように展開できるかという問いから始まっている。

これまで《the layer of self》《the wall of self》、そして近年の《the core of self》に至るまで、私が繰り返し扱ってきたのは「構造」である。それは、かたちを示すものというより、内と外の関係を編成するための装置である。

これらは別々のモチーフではなく、外形と内側に生まれる見えない空間を、どのように物質によって立ち上げるかという、一つの関心の異なる現れである。色彩や素材を通して、作品がどのような力を持ち、どのような気配を放ち、見えない部分がどのように観者の身体的な想像を引き出すかを探り、人の手が加わることでなお失われない物質の気配と生命性に触れようとしている。

《the layer of self》《the wall of self》は物質とイメージの境界として、《the core of self》は凝縮した中心として、それぞれ作品の中に現れる。

しかし、私が関心を寄せているのは、それらの形式的な差異ではなく、それらがどのように互いに連続し、配置されることで、一つの場を形成するかにある。単体の作品であっても、私にとってそれは常に空間全体への開かれた断片である。
今回展示する作品群全体を通して試みているのは、色や物質によって支えられた空間の思考を形にすること、そして作品と空間のあいだに、静かだが切実な緊張を保った場をつくることである。

見る者が動けばその像も動き、見るという行為が固定されることはない。

まるでまだ見ぬ世界の中を歩くように、作品群もまた、固定されることを拒みながら、対話の手を開いている。