この度、ホワイトスト―ンギャラリー銀座新館では、ハンブルク在住のアーティスト・綿引展子による個展『光がいちはやくなぞる道』を開催いたします。

「なぜ人は生きるのか?何のために生きるのか?」
「心を動かされるとはどういうことか?」

感情や心情にまつわる幼少時からのこの問いが、綿引をアーティストの道へと進ませる。版画からスタートし、写真を用いた箱のオブジェ、和紙に描かれるオイルパステル画、カンヴァスを用いたアクリル画まで、その手法は変遷するが、通底する制作テーマは「形のないもの、すなわち感情や心情に形を与え、その形が色彩を生み出すというプロセスそのもの」である。

描かれた感情や情緒、ニュアンスは、作者の手を離れて一人歩きをはじめる。それらは、他者のものでもあり、ひいては人間のものであるとも限らない。動物や植物など、等しく生きるもの共通のフィーリングでもありうる。綿引の作品に、人間と植物の境界があいまいな意匠が現出するのはそのためだ。

長年にわたるドイツ生活は、綿引に他者との差異を掘り下げ、自らの根幹を成す日本の伝統文化への感覚をさらに鋭敏にさせた。多文化社会において、各々が異なるバックグラウンドを保ちながら、何を見、何を聞き、何を感じるか。問い続けるそのプロセスが、作品に結実してゆく。

約4年ぶりとなる今展では、等しく生きるものとしての人間と植物にフォーカスした新旧作品、約20点を展覧いたします。植物が自然と陽に導かれるように立ち現れる、綿引展子の慈愛に満ちたこころの軌跡をぜひご堪能ください。

皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げます。

●関連イベント
・オープニングレセプション
2026.09.12(土) 17:00-19:00
どなたでもご参加いただけます。
*作家在廊

・綿引展子×文月悠光トークイベント
『言葉のなかのこころ、絵のなかのこころ』
2026.09.23(水・祝) 14:00-15:00
個展を記念して、詩人の文月悠光さんとのトークイベントを開催いたします。
お申し込みURL:https://docs.google.com/forms.gle/nCm8Pt1YgLbnHoLMA