フォーカス
夏休みのグループ展は若いキュレーターが力量を発揮する大舞台。悪ぶるアーティストたちのショウタイム!
梁瀬薫
2011年08月01日号
そのほか、夏の注目展
John Bock: Im Schatten der Make (In the Shadow of the Maggot)
ドイツアートシーンで最もユニークなキャラクターと称されるヨーン・ボックのフィルム作品とインスタレーション。1920年代のドイツ抽象表現主義時代のスタイルを取り入れたフランケンシュタインを彷彿とさせる白黒のフィルム。
全品一掃処分!
Everything Must Go!
メキシコの陶器会社がスポンサーに、ホゼ・ノイ・スロとエドワルド・サラビアがキュレーションをした、「何でもあり!」感溢れるユニークなショー。会場の隅から隅まであらゆるオブジェが配置された。今日のニューヨークのコマーシャル画廊をメキシコ人キュレーターが存分に風刺。
通信路回路の背景からニューイメージへ
Channel to the New Image
ジェイソン・ムリソンのキュレーションによる若い5人の画家と5人の写真家によるグループ展。1970年代のフォーマリズムによる新しい絵画が台頭した背景の再考。新しい絵画の動向は、インターネットやアイフォンの浸透する現代社会においてはどう展開するのか。
アレキサンダー・マックイーン:野生の美 展
Alexander McQueen: Savage Beauty
想像力に溢れ、これまでの常識とスタイルを打ち破るデザインでファッション界だけでなく現代美術シーンにも影響を及ぼしたマックイーンはレディー・ガガやダミアン・ハーストらにも支持されていた。昨年2月母親の通夜の晩自殺。享年40歳。連日3時間待ちの列をつくる同展は、オープニングから2カ月で入場者が18万人を超え、1カ月会期延長のほか、休館日もオープンし、入場料$50という特別鑑賞日を設け、さらに最後の2日間は深夜まで開館するなど、前代未聞の大規模展となった。
Lorna Simpson: Gathered
1960年ブルックリン出身の黒人アーティスト。これまで黒人女性像をテーマに多くの写真作品を制作している。ブルックリン美術館で開催されている展覧会ではヴィンテージ写真作品などを起用してフォト・インスタレーションを展開している。