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美術家たちが夢見た映画
  5/15-21 京都・関西日仏学館ほか
美術家たちが夢見た映画 ジェローム・サンスの企画で行なわれた映像作品を集めた上映会のプログラムのなかの「ダブル・ブラインド」(ソフィ・カル、1992年、ヴィデオ、72分)をみた。ロードムーヴィ的なつくりになっていて、すぐ調子の悪くなる年代モノの車に乗って一組の男女がアメリカを横断する間の物語だ。プライベートな出来事とフィクションとが、映像の中でも、みている私のなかでもごちゃ混ぜになっていく。それがかなりぎりぎりのところで心地よかったりした。
[5月18日(木) 原久子]
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トーキョーワンダーウォール
  下重佳世展 5/9-30 東京都庁回廊
トーキョーワンダーウォール 都庁第1庁舎と議会棟を結ぶ回廊の壁に、毎月ひとりずつ公募で選んだ若手作家の作品が展示されることになった。こうしたデッドスペースを文化的に活用しようというのは、さすが芸術のパトロンをめざす石原都知事らしい発想だが、でも使いにくそう。第1回の下重さんは、確か2年ほど前にも地下鉄の構内で作品を展示したことがあるけど、やっぱり画廊のほうが見映えがするなあ。庁舎から出ると、日の出の森トラスト運動の人たちが「トラスト共有地を強制収用するな!」とアピールしていた。周知のように日の出町では、ごみ処分場の問題をめぐって処分組合と住民が対立しており、つい先日、処分組合が反対派のトラスト共有地の強制収用を求めて石原都知事に行政代執行を請求したばかり。そしてこのトラスト共有地のシンボルが若林奮の「緑の森の一角獣座」なのだ。さて石原都知事は芸術文化のパトロンとなるか、破壊者となるか。
[5月25日(木) 村田真]
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ラファエル前派展
  5/13-7/9 東京・安田火災東郷青児美術館
ラファエル前派の絵はとてもわかりやすい。そのわかりやすさは、たとえば風景画であれば木の枝1本1本まで克明に描き、物語画であれば、その物語を象徴する場面を大げさな身ぶりで描くといったような、ポピュリズムとしてのわかりやすさなのだ。だからどうしてもイラストレーションに見えてしまう。実際、彼らの絵はラファエロ以前の初期ルネサンスの画家たちより、ノーマン・ロックウェルやアンドリュー・ワイエスに近い。
[5月25日(木) 村田真]
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スピーチバルーン・オン・ザ・プリドボテ
  5/9-31 東京・プリドボテショップ
スピーチバルーン・オン・ザ・プリドボテ 中村ケンゴのスピーチバルーン(漫画のフキダシ)をモチーフにしたTシャツを展示販売。けっこう売れてた。ぼくも買った。いちばん安いのですが。ところで、ケンゴくんは94年から96年にかけて画廊で5回個展を開いたが、その後ばったりとやめてしまった。いまに始まったことではないが、彼に限らず画廊で発表することに疑問を感じる(というよりその発想すらない)若手作家は多い。画廊はどこへ行くのだろう。これからは画廊をやめてカフェやショップにして、一隅で作品を扱うという副業画商が増えてくるかもしれない。
[5月25日(木) 村田真]スピーチバルーン・オン・ザ・プリドボテ
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プライム:記憶された色と形
  5/27-7/20 東京オペラシティアートギャラリー
 
プライム:記憶された色と形 美術の基本はやっぱり絵画と彫刻。その普遍的な要素である色彩と形態に立ち帰ろうというのが、この展覧会。出品は、堂本右美、松井紫朗、間島秀徳、近藤正勝、前田哲明、押江千枝子の6人。作品の色と形を際立たせるためか、展示室の床を白いリノリウムでおおってホワイトキューブの空間に仕立てている。準備万端しっかりやっているし、個々の作品もそれなりに力作ぞろいなのだが、色と形を前面に出したせいか、逆に中身の薄さが浮彫にされてないだろうか。実に表層だけをかすってサラッと5分で見過ごせる展覧会なのであった。
[5月26日(金) 村田真]
 
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