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Exhibition Reviews & Guide ..

Index
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森口宏一展
中谷昭雄+岡田修二展
金田勝一展
片野満展
白川昌生展
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「出会い」展
小石原剛展
現代の写 真II「反記憶」
溝江壽之展
あかい
刀根康尚パフォーマンス
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「岡本太郎EXPO'70」展
幸福の場所を探して
橘田尚之展
大森博之展
亀山尚子展
山口勝弘展
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彦坂尚嘉の起源展
倉重光則展
太田三郎展
講演「荒川修作が現在、
考え計画している
新しい街づくりと
新東京建設について」
「イスラエル美術の現在」展
「記憶の賞味期限」展
勉強会
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特別 展観
「美術館を読み解く――
表慶館と現代の美術」
森田多恵展
第7回NICAF記者発表
作間敏宏展
佐藤時啓展
IKIRO・・・to Vincent/
TAKAHIRO SUZUKI
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トーマス・シュトゥルート展
河崎晃一展
「五行」公開制作+
ワークショップ 藤田昭子
辻和美展
舟越桂展
田名網敬一展
森口宏一展
1/8〜20 番画廊[大阪]
 
 
森口宏一展
成人の日、年が明けてからはじめての画廊まわりに出かけた。ピカピカのステンレスの搬送車の上に、4点で支えられ宙に浮いているかのようなガラスの棺。棺の中は空っぽだ。この作品を挟んで向かい合わせに、赤い金魚がビーカーの中で泳ぎ、真紅のバラがまっすぐ上を向いて咲く。これらの背後に、金魚、バラそれぞれを図案化したものがアクリル板にシルクスクリーンで白く印刷されている。さまざまな品種の交配によってできあがった人工的な生命の象徴が金魚とバラと考えられる。棺を空にし、人の身体との距離をもって構成されたこの展覧会の空間に身を置き、新しい世紀への警鐘が聞こえてきた気がした。

[1月8日〈月〉 原久子]

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中谷昭雄+岡田修二展――いたるところに、いつもない。
  1/8〜20 O Gallery eyes[大阪]
 
 
中谷さんは長い間一貫して、ストライプや格子のペインティングを描いてきた。組み合わせにより重なる面の色が変化する。岡田さんは部分を切りとって拡大し、モノクロームに描く仕事をしてきた。この2者の作品が並ぶと、中谷さんの作品がコンピューターで画像処理したとき、部分を拡大すると現われるモザイクに見えてきた。人間が描く線は、スムーズな動きによって生み出される。2人展の意図とは異なるかも知れないが、アナログとデジタル、カラーとモノクロ、いろんなキーワードが見ているうちに頭のなかを駆け巡りはじめた。

[1月8日〈月〉 原久子]

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金田勝一展
  1/9〜21 ギャラリーココ[京都]
 
 
金田勝一展
金屏風に輪郭線を描いたサメが勢いよく泳ぎ、トマトの葉が生い茂る。見なれた自動車メーカーのロゴマークに混じって、金魚が踊っている。ここまで読むと……それってなに?という感じでしょう。これは金田さんの住まいの近所の風景なのだそうだ。郊外の国道沿いのどこにでもありそうな、京都府亀岡市の風景。ああ、そうかも……。わかる気がする。亀岡を知らない人にも、こんな光の感じで、こんな空気が流れててというのは、実際の写真を見せるより伝わってくるかもしれない。ダメですか?

[1月9日〈火〉 原久子]

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片野満展 "close your eyes"
  1/9〜21 ギャラリーそわか[京都]
 
 

《夜も更けた》
(1999/画布、合板、
シャツに油彩/
189.1×150.3cm)
画廊に着いたのは閉廊時間をとっくに過ぎた21時。着いたとたんに「ほな、原さん来たことやし帰ろか」というコトバを浴びせられた。この友情溢れる言葉に感謝。当の片野氏は横でニコニコ。「mental chair」の岩野さん、「ウクレレ建築計画」の伊達さん、「四角いジャンル」のカワイ+オカムラさんに、絵描きの谷本さんほか、と京都芸大の同窓会状態。全5室を使っていて、見ごたえ充分。地下の展示と最新のシリーズに特にひかれた。ご挨拶がてら、まあ一杯ってことで宴に加わる。これはもう一回来なきゃいけない展覧会だと思って帰ったが、会期中に再び行くことができず、結局は涙をのんだ。片野さんのペインティングいいッス。もう11年くらいまえ、グループ展に出品していた同級生のやなぎみわさんの肖像画どうしたかなァ。
[1月9日〈火〉 原久子]
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白川昌生展
1/10〜27 モリスギャラリー[東京]
地域通貨ってご存知でしょうか? ギャラリーの壁には「地域通貨」に関するアンケートの回答が張られ、地域通貨を用いた美術作品の交換の実践も行なわれていた。白川さんは「美術と市場をめぐる問題」というタイトルで『LR』にも連載をしている。美術家としての活動は村田さんがよくこのサイトにも書いているので、私から紹介するまでもないが、いい仕事を残してきた人だ。展覧会の反応を後に確認したところ、「地域通貨」を内容に取り入れ「一般の人からの反応は高かったが、美術関係の人からはほとんどなかった」ということだった。市場の開拓や活性化に興味がないわけではないだろうけど、アート・ワールドという小宇宙にしか関係者は興味がないのかもしれない。
[1月10日〈水〉 原久子]
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