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Exhibition Reviews & Guide ..

Cemeti Art House, Apotik Komik
[ジョグジャカルタ/インドネシア]
 
 
Cemeti01
Cemeti02
東南アジア4カ国のオルタナティヴ・スペース調査の旅に出た。セゾンアートプログラムの石井正伸さんと名古屋芸術大学の高橋綾子さんと私の3人のデコボコ・トリオの旅がここからはじまった。インドネシアに関して予備知識ゼロで出掛けてしまった私は、はずかしながらこのスペースがすでに『美術手帖』でも紹介されていたことすらノー・チェックだった。 ここもオルタナティヴ・スペースだよと、連れていかれた先はApotik Komikという場所。一見ただの民家だが、看板もちゃんと出ていて塀がギャラリーになっていた。Apotikというのは薬屋さん。文化的な要素に飢えた人にとってはコミックも薬に似た効果 を発揮するのさ、と運営者が笑っていたが、野外でやるってことは意識的にポリティカルなプロパガンダとしてやっているわけよね。
[3月8日〈木〉 原久子]
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Barak Gallery
 [バンドン/インドネシア]
 
 
Barak Gallery01
Barak Gallery02
元軍隊の倉庫を使ったアートスペースのBarak Galleryでは、すでに会期は終了したという展覧会を見ることができた。森村泰昌の《モナリザ》をさらにパロディー化してしまったバンドンのロコ・アーティストのアスムジョさんはキュレーターでもある。サッカーのユニホームを使ったものや、フランスの漫画タンタンに出てくるロケットなど、さまざまなものを引用しパロディ化していた。このギャラリーにたどりつくまでのいくつかのスペースでは、けっこう退屈な作品ばかり見ていたので、ここで一気に眠気が醒めて盛り上がった。
[3月9日〈金〉 原久子]
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文殊の知恵熱ruangrupa
 [ジャカルタ/インドネシア]
 
 
ruangrupa
移動をしても取材はどんどん続いてゆく。アムステルダムのライクス・アカデミーを卒業して帰ってきたアデ君ら6人の20代のアーティストで運営するスペースruangrupaは、4つの機能をもっている。アーティスト・イン・レジデンス、ワークショップ、季刊の美術雑誌『KARBON』の編集発行、そしてアーティストのためのプログラム・リサーチだ。コンセプトも明解だし、ドキュメントを見ているとヨーロッパから来たアーティストたちと滞在制作した作品も、発表の仕方も閉じていなくて、どんどん周囲を取り込んでいていい感じだ。連日、早朝に起き、ホテルに帰るのは夜中。ハードな取材だが、面 白いアーティストや活動と出会うと元気になるのが不思議である。
[3月10日〈土〉 原久子]
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朝岡あかね展
 3/10〜31 コマンドN[東京]
 
 
朝岡あかね展
スペイン在住の朝岡あかねといえば、日本では写真を使った「星座」の作品しか知られてないので、今回は彼女本来のインスタレーションを見せている。床にクッションを置き、壁に窓から見える日常の映像を映し、聞き慣れた陳腐な音楽を流すというビデオインスタレーションだ。この日はアーティストトークがあり、前半は自分の作品をスライドで紹介し、後半は松蔭浩之をゲストに、マドリッドのアートフェア「ARCO」の模様をレポートした。どーでもいいっすが、朝岡さんの父上はぼくの高校時代(高専のデザイン科だった)の先生で、作家で学者でもあった。授業ではいつも生徒に課題を与え、自分は分厚い本を読みふけっていた。なんの本かと思ったら、柳田國男全集だった。当時あかねちゃんは小学校の低学年だったはず。ほんと、どーでもいいっすが。
[3月11日〈日〉村田真]
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パフォーマンス「There's No Need to Go Outsaide」
 3/9〜11 プラスティック・キネティック・ウォームス[シンガポール]
 
 
There's No
取材に行った先で、今夜パフォーマンスがあるから来てね、と誘われついつい行くと返事をしてしまった。坊主頭に全身白塗りでパンツ1枚で登場する男性パフォーマーの動きはどう見ても舞踏っぽい。奇声を発しながらカラダを開放させている場面 のみに反応してしまったが、とにかく眠かった。ほかのアートスペースにあったフライヤーも白塗りの写 真がついていた。どうやらシンガポールでは白塗りのパフォーマンスが流行りらしい。1泊2日のシンガポール。夕飯も朝食も昼食も食べ損ねた。水分補給のみ。
[3月11日〈日〉 原久子]
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−About Art Related Activities− ABOUT STUDIO/ABOUT CAFE
 [バンコ ク/タイ]
 
 
About Art
またもや凄いところにやってきてしまった。パッと見は、オシャレなカフェ・ギャラリー。お客に白人が目立つ。アート関係者なのだろうか、1人でやってきて、本を読んだりしている人もいれば、打ち合わせとおぼしき集団もいる。過去4年間の活動のドキュメンテーションを見てゆくと内容が濃くて、パワフルなんです。日本でもお馴染みのN・ラワンチャイクンのTaximanもここでやっていたんだ〜。7時半に取材がはじまり、11時半に出るまで、ここの運営をしているミャオ(通 称)はずっと喋り続けてくれました。アッパレ!
[3月12日〈月〉 原久子]
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小河朋司展
2/26〜3/17 ギャラリーなつか[東京]
 
 
小河朋司展
表面にモノクロームのストライプを塗ったガラス板を、壁から数センチ浮かして掛けているのだが、裏側からぼんやりと不定形の色彩 が浮かび上がっている。この不定形の色彩はストライプの裏側に塗られたもので、それが白い壁面 に反射するという仕掛け。言葉でいってもなかなか伝わりにくいと思うが、見ればなるほど一目瞭然。
[3月13日〈火〉 村田真]
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