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Exhibition Reviews & Guide ..

チャンネル・n 多層世界への水路
3/8〜24 京都芸術センター
 
 
チャンネル・n
この会場は元小学校だった。教室をそのまま展示に使っているため、個展をたくさん観ているような気にもなる。アート作品だけではなく、人体標本をつくっているメーカーが模型を展示していたり、博物館の学芸員が担当した「豆」についての展示があったり。でもやっぱり、ちゃんとアートとつながっているのね。3階の展示まで見る時間がなくて、もう1回足を運びました。見ごたえ十分。FMラジオ持って会場を歩くのがやや面倒だったので、ヘッドフォン・ラジオにして欲しかったとアンケートに書けばよかった。
[3月20日〈火〉 原久子]
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寺田真由美展
 3/15〜4/14 ギャラリー・サーチ&サーチ[東京]
 
 
寺田真由美展
赤坂のアジア会館の隣に昨年オープンしたギャラリー。ロンドンの広告代理店サーチ&サーチの支店が運営し、日本人作家を取り上げていくという。その4回目が寺田真由美。精巧につくられたシンプルな室内のミニチュアを撮ったモノクロ写真や、女性の身体から型取りしたトルソなどを展示している。タイトルは「love affair」で、どうやら作者自身の体験した「恋愛事件」を題材にしたものらしい。相手の男からとおぼしき手紙の一節も活字化されているが、虚実いずれか判断しかね、いっそう艶かしくある。
[3月22日〈木〉 村田真]
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申明銀展「こなさんみんばんは」
 3/22〜4/21 SCAIザ・バスハウス[東京]
 
 
申明銀展
犬。正面の壁の一見草間弥生みたいな犬画がいい。
[3月22日〈木〉 村田真]
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「ランデヴー」展
 3/22〜4/8 スパイラル[東京]
 
 
「ランデヴー」展
「ランデヴープロジェクト」とは、現代のアーティスト達がもつ、豊かな創造性を社会資源として有効活用するために、企業や研究者の最先端技術、匠の技、ユニバーサルデザイン的な取り組みなど、ますます多様化する製品化のノウハウとコラボレーションを実現し、新時代にふさわしい製品の提案と製品化を推進するプロジェクトです。ってチラシに書いてある。椿昇、八谷和彦、イチハラヒロコらが参加。
[3月22日〈木〉 村田真]
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大島成己展
 3/12〜24 信濃橋画廊[大阪]
 
 
大島成己展
写真の像の写った印画紙の表面をキャンバスに定着させた、と手法を説明してもらったのだが。まるで、キャンバスの上に細密に描いていったようにも見えた。光が像を可視化しているということが、この作品を観ていると納得させられる。光の量によって、反射でぼやけて見えなくなる部分があったり、理屈も面白いし、作品の質感がまったりしていて記憶に強く残る作品だった。
[3月23日〈金〉原久子]
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「I.K.U.」試写会
 アップリンクファクトリー
 
 
性器の摩擦なしに脳で直接エクスタシーが得られるという「I.K.U.チップ」の開発を進めるゲノム・コーポレーション。そのデータ収集のため、7人のセクシー・レプリカント「レイコ」がトーキョーに放たれ、無差別にやりまくるというとんでもないポルノだ。監督は台湾出身のアメリカ人で住所不定のデジタル・ノマド、シューリー・チェン。とにかく低予算で製作しているせいか状況描写がほとんどなく、やってばっかり。でもポルノとして役立つわけでもなく、アートとして楽しむしかないという究極の映画だ。5月から渋谷シネパトスでレイトロードショー。「みんなでイクわよ!!」が合言葉だ。
[3月23日〈金〉村田真]
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イタリア・ルネサンス――宮廷と都市の文化展
 3/20〜7/8 国立西洋美術館[東京]
 
 
イタリア・ルネサンス
「日本におけるイタリア2001年」の開幕を飾る展覧会。超一級品は出てないものの、とりあえずレオナルド、ミケランジェロ、ラファエロの3大巨匠は押さえており、さすがに見ごたえがある。小品ながらも重要なポッライウオーロ「ヘラクレスとヒュドラ」や、ボッティチェリ「ホロフェルネスの遺骸の発見」、フレスコ画を引っぺがしたブラマンテ「ヘラクレイトスとデモクリトス」や、ピサネッロ「女性の頭部」、見事な筆さばきを見せるティツィアーノ「フローラ」と「ピエトロ・アレティーノの肖像」、図像学的に興味深いヴァザーリ「ウルカヌスの鍛冶場」あたりが見どころ。このうち1点でも西洋美術館にばいいのに。
[3月23日〈金〉村田真]
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ヴェネツィア絵画展
 3/24〜5/27 上野の森美術館
 
 
ヴェネツィア絵画展
「イタリア・ルネサンス」展のあとでこれを見るのはかなりつらい。ヴェネツィア絵画のなかでも同展は、ティツィアーノやティントレットの活躍した黄金時代の16世紀ではなく、共和国最後の18世紀の作品のみの展示だからだ。たしかにカナレットのヴェドゥータ(都市景観画)やカプリッチョ(奇想画)は魅力的だし、ピエトロ・ロンギの風俗画も当時のヴェネツィアの奇妙な風習を知るうえでは興味深い。でもヴェネツィア共和国自体がそうであったように、絵画もすでに衰退しきっている。
[3月23日〈金〉 村田真]
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