|
みどりの日 |
|
5/3〜5/5 CAP HOUSE[神戸] |
|
|
|
CAP HOUSEでひさびさの大きなイヴェント。オープン・アトリエ、ワークショップ、展覧会、邦楽のコンサートありといつもどおりの盛り沢山な企画。小さなアート・グッズなどいろんなお土産が訪問者に用意されていた。また、参加しているアーティストのチェックを7つためると、そのカードと引き換えに2階の長い廊下にずらりと一列に掛けられた300枚のTシャツの中から好きものを1枚もらえるという特典付。グレーにしようか、ピンクにしようか、どの色も捨てがたかった。私は悩んだ末に、チェックをしてもらったカードをキープして、Tシャツは断念。
[5月3日〈木〉 原久子] |
|
|
吉田暁子新作展 |
|
4/26〜5/23 ギャラリーKURANUKI[大阪] |
|
|
|
17:00すぎにギャラリーに着くともうパフォーマンスがはじまっていた。自作詩集『余白のランナー』を手に朗読するスーツ姿の建畠晢はすでに足元から紙を貼り合わせて包まれ始めていた。淡々と朗読を続ける建畠は、あれよあれよという間に、吉田によって部屋の真中に隆起する生成りの物体と化していった。大きな壁に天井まで広がってゆく絵。線も色の面も儚なげでありながら生命の力が宿っている。いくつかの異なる作品によって構成され、ギャラリー全体が一体感をもった作品になっていた。
[5月5日〈土〉 原久子] |
|
|
大竹伸朗展「鼠景」 |
|
4/26〜7/1 エプサイト[東京] |
|
|
|
コンピュータで絵を描いて「エプソン」のプリンタで出力した、大竹伸朗のデジタルワークス。ぼく的には「デジタルワークス」なんかにゃほとんど興味をもてないにもかかわらず、これは珍しく目に染み込んできた。それはたぶん連休中、画廊は休みだしー美術館は混んでるしーで、にこちゃんの波状攻撃を受けながら仕事三昧だったため、おメメが美術に対して砂漠のように乾ききっていたからに違いない。もちろん作者が大竹でなく、そこらにころがってる「CGアーティスト」の作品だったらこうはいくまい。思わずカタログまで買ってしまったが、付録でついてきた「鼠日記」がまたおもしろい。意外なことに、大竹はコンピュータで絵を描くのは初めてだという。その初心者ならではの発見と悪戦苦闘ぶりが作品と日記に表われているのだ。ちなみに「鼠」とはマウスのこと。いうまでもないか。
[5月8日〈火〉 村田真] |
|
|
イタリア静物画展 |
|
4/28〜5/26 安田火災東郷青児美術館[東京] |
|
|
|
16世紀から現代までのイタリア静物画を収集するコレクター、シルヴァーノ・ローディのコレクション。イタリア(に限らないけど)静物画といえばカラヴァッジョに始まるのが定説だが、とてもカラヴァッジョとは思えない「伝カラヴァッジョ」や、カラヴァッジョになにを学んだんだと突っ込みたくなるような「カラヴァッジョ派」の作品もあって笑える。まあ個人コレクションの限界なんだろうけど、ここには17世紀オランダ静物画のような徹底した質感描写もなければ、スペインの「ボデゴン」に見られる神秘性もなく、総じて凡庸な作品が多い。と思いながら見ていくと、18世紀から突然ジョルジョ・モランディやアルテ・ポーヴェラなどの20世紀に飛ぶではないか。どうやらローディ氏は19世紀の静物画はコレクションしてないらしい。家に帰って調べてみたら、1986年にもローディ・コレクションによる「イタリア美術展」が開かれていて、出品作品の半分近くが重なっているのだが、そこには18世紀までの作品しか出ていない。ローディさんはこの15年間に20世紀の静物画を買いあさったのかしら。
[5月8日〈火〉 村田真] |
|
|
黄金期フランドル絵画の巨匠たち展 |
|
4/19〜5/20 伊勢丹美術館[東京] |
|
|
|
16−17世紀に絵画の黄金時代を迎えたフランドルの中心地、アントウェルペンの王立美術館からの出品。ブリューゲルが大量に出ている。でもピーテル(父)ではなく、ヤン(父)だったりピーテル(子)だったりヤン(子)だったりして、とてもややこしくてやんなる。ルーベンス、ヴァン・ダイク、ヨルダーンスもある。でも彼らの代表作・大作は王立美術館に残されている(去年行ったもんねー)。と憎まれ口をたたきつつ、飢えた目には目薬のように絵が染み込んできた。注目はフランス・フランケン(子)の「セバスティアーン・レールセの美術品収集室」。これはコレクターの収集室を描いた「ギャラリー画」のひとつで、興味深いのは右下にカンパスペを描くアペレスを主題とする絵(画中画)が描かれていること。アペレスはアレクサンドロス大王に使えた古代世界最大の画家で、大王の愛人カンパスペを描くうち彼女に恋をし、大王は彼女をアペレスにくれてやったという心温まるエピソードがある。うらやましいぞ。いやそういう話ではなく、フランス・フランケンは自分のサインをその画中画のなかに入れている。つまりこの画中画も自分の作品であることをほのめかしているのだ。さらに、この画中のアペレスが描いている絵が「画中画中画」になっているのだ。この入り組んだ入れ子構造!
[5月8日〈火〉 村田真] |
|
|
奥田容子展 |
|
5/1〜13 アートスペース虹[京都] |
|
|
|
ガラス越しに画廊の中をのぞくとまるで何もないように一瞬ただ真っ白に見えた。よく見ると無数のカップが宙に浮いたように展示されている。白い壁の四角い箱状の画廊の真中に2枚の壁をたて、壁と壁の間に何本ものワイヤーを張りめぐらし、そこに白い器を通していた。奥田は旅の途中などで出会った人に頼んで日頃使っているカップ類をもらい受けている。それらをカタドリして同じ形の真っ白の複製をつくり今回の個展では用いていた。私たちがふだん何も思わずに愛用する食器類。真っ白な無機質なモノに置き換えられた器は、それぞれになにか物言いたげに見えていた。
[5月8日〈火〉 原久子] |
|
|
磁土 白い風景 青木拳展 |
|
5/8〜13 ギャラリーはねうさぎ[京都] |
|
|
|
そのキメが全く違う磁土と陶土。青木は磁土を使って焼いた掌におさまるくらいのオブジェを並べていた。風に吹かれたような、あるいはなにかの力に圧されたような、危うい傾きがドキドキさせる。
[5月8日〈火〉 原久子] |
|