「アメリカの英雄」なるものをテーマにした、ちょっとおもしろい展覧会。ワシントンのナショナル・ポートレートギャラリー所蔵の肖像画からなる「肖像が語るアメリカ史」と、歴史画や風景画による「アメリカン・ヒロイズム」の2本立ての構成。時代的には18世紀から現代までで、絵画様式の変遷をたどれる楽しさもある。だが、ウォーホルによるマイケル・ジャクソンの肖像は入ってるのに、スーパーマンやミッキーマウスがないのは残念。英雄の概念だって時代によって変化してるだろうに。関係ないけど、「英雄」というとつい野茂英雄の名を思い出してしまうなあ。でも向こうでは「No more 英雄」になっちゃうし、いまではイチローのほうがヒーローだし。待てよ、ヒーローの人といえば「ヒロヒト」じゃんか、とかね。それはともかく、「アメリカン・ヒロイズム」の最後にニューヨークの摩天楼の絵が出てきたのには苦笑い。アメリカのヒーローはテロに倒されたんだね。 [9月19日(水) 村田真]