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庭園の会話III |
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9/13〜10/3 文房堂ギャラリー[東京] |
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菊池敏直、是枝開、馬場恵、松浦寿夫の4人展。是枝と松浦には最初から期待してなかったが、本命の菊池はまったく期待はずれの作品。例の爽快な色彩と筆さばきを見たかったのに。帰りに立ち寄った古本屋で『日本洋画商史』を発見。日本洋画商協同組合編で、1985年に美術出版社から発行された500ページを超す幻の大著。そのなかの100ページ以上を占める彦坂尚嘉氏の論文「洋画商の成立――関東の洋画商」を読みたくて、ひそかに探していたのだ。2万円もしたが、市場には出まわらないし資料的価値も高いので、いそいで銀行でカネをおろして購入。
[10月1日(月) 村田真] |
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バルチュス展 |
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9/9〜2002/1/6 グラッシ宮[ヴェネツィア] |
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今年亡くなった巨匠バルチェス。日本でも馴染み深いアーティストだ。今年になってから描いていた作品まで展示した大回顧展は、彼の少年時代からの天才ぶりも見ることができる周到な構成になっている。近作は驚くほど鮮やかな色が用いられ、私のなかにあったバルチェス作品の色彩のイメージを一新するものだった。
[10月1日(月) 原久子] |
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ヴェネツィア・ビエンナーレ |
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96/8〜11/11 アルセナーレ会場[ヴェネツィア] |
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各国パヴィリオンと単純には比較できないが、ハラルド・ゼーマン企画のアルセナーレ会場の構成や出品作品に私テキに共感できる作品が多かったように思う。映像が多いのは昨今の特徴ではあるが、もっともっと時間をかけて見たかった。どういうわけだか、否、当たり前のことなのか、戦争や植民地支配、宗教的な対立などをモチーフにした作品が次から次に目の前にあらわれた。テロや戦争を予知していたかのようなゼーマンの作品選択と、アーティストたちの問題意識に、個人差はあるとはいえ、ふと日本人の意識や状況との差を考えてしまった。
[10月2日(火) 原久子] |
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ダイアローグ2001/バンフ・レジデンシーの作家たち |
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10/3〜31 カナダ大使館ギャラリー[東京] |
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今日は10月生まれのチューネンを対象にした無料区民健診日。近ごろ飲んだくれてたからγ-GTPの値が心配だ。若いヤツラにはわからんだろう。その帰り道にちこっと寄る。これは、カナディアン・ロッキーに近いバンフ・センターで滞在制作した岡崎乾二郎、ぱくきょんみ、中ザワヒデキらの作品展。岡崎乾二郎のクレヨン画がすばらしく美しい。やっぱ「庭園の会話」の日曜画家たちとは違う。でも岡崎自身、日曜画家化しつつあるかも。
[10月3日(水) 村田真] |
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シュールリアリスム展 |
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9/20〜2002/1/1 テートモダン[ロンドン] |
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13のパートから構成されたこの展覧会は、〈THE BRIDE STRIPPED BARE〉からはじまる。パート1の展示解説は、唯一あまねく理解される‘ism’はエロティシズムである、とデュシャンが言っているとはじまる。〈THE
CHILD'S BRAIN〉と続き、〈EROTIC OBJECTS〉で終わる。シュールリアリスムについて非常にわかりやすく解説してくれる展覧会だった。
[10月3日(水) 原久子] |
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カタリーナ・フリッチュ展 |
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9/7〜12/9 テートモダン[ロンドン] |
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真っ黒な巨大なネズミを見上げていたら、危うく下で布団をかぶってベッドに静かに横たわる人の姿を見逃すところだった……とまで言うとウソくさいが。そのくらいに前足をあげてちょこんと立つシンプルなフォルムのネズミの彫刻にインパクトがあった。
[10月3日(水) 原久子] |
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FACTS OF LIFE |
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10/4〜12/9 ヘイワード・ギャラリー[ロンドン] |
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26人の日本人アーティストによる展覧会。草間、荒木はもう日本展の定番だろうか。そこに赤瀬川原平、小杉武久と続くとちょっと毛色が変わってくる。宮島達男のブースの横には、田中敦子の大型ペインティングと向き合って宮本隆司が撮ったピンホール写真を展示。展示という面では、私たち日本人が考えもしない組み合わせでインスタレーションが続いていった。入った部屋には吉田重信の映像作品がスクリーニングされ、その傍らに市川武史のヘリウムガス入りの透明バルーンがふわふわ浮く。ロンドン・アイと呼ばれる観覧車を借景にいただき、テラスで真っ赤なFIATのツーシーター車を用いたログズギャラリーの「残留雑音」と、別なテラスでの藤本由紀夫の代表作「屋上の耳」は、もっともリアルにFACTS
OF LIFEを感じさせてくれた。
[10月3日(水) 原久子] |
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Toba Kheroori, Raymond Pettibon |
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9/6〜10/21 Whitechapel
[ロンドン] |
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Kherooriが1階で、Pettibonは2階で展観していた。優等生と反逆児という感じで、どちらも全く違った傾向ではあるが、
Kherooriは静寂のなかに、 Pettibonは体当たりで「現代」を鋭く見る視点を持ちつづけている。Pettibonは紙にインクで文字と絵をコミックスにも似たタッチで描いてゆく。個人的にはPettibonのロック魂のきいた表現に1票。
[10月4日(木) 原久子] |
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須田悦弘 |
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9/21〜11/5 ENTWISTLE[ロンドン] |
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Cork Streetの大きなホワイトキューブの画廊は、外から見ると何もやっていないようにしか見えない。ぐるりと見渡す……アッ、発見。カウンターの上にコップにさした本物そっくりのユリがまさしくそうでした。そして、地下の展示室でも柱の上のほうにひそやかに……。こういう可憐さや、慎ましさをヨーロッパの人たちは東洋的、日本的ととらえるのだろうな。
[10月4日(木) 原久子] |
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