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Exhibition Reviews & Guide ..

中川千恵美展
10/22〜27 CUBIC GALLERY[大阪]
 
 
中川千恵美展
全体が明るい鮮明な色で構成されたペインティング作品に、バスタブが頻繁に登場する。お風呂にどういう意味があるのか、ということもさることながら、この洋風のバスタブのカタチにひかれているのだろう。
[10月25日(木) 原久子]
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カラヴァジョ展
  9/29〜12/16 東京都庭園美術館[東京]
 
 
カラヴァジョ展
なんだかジーさんバーさんが団体で来ている。カラヴァッジョはジジババに人気があったのか? どうやら彼らはカラヴァッジョ展を見に来たというより、旧朝香邸を訪れたらたまたまカラヴァッジョ展をやっていたということらしい。出品作品39点のうちカラヴァッジョ作品は(あやしいのも含めて)8点。カラヴァッジョ率2割という低さだ。しかもカラヴァッジョ的には大した作品はない。まあ彼の場合、代表作の多くは教会の壁に埋め込まれてなかば不動産化しているからしょうがないのだが、それにしてももう少しロクな作品が見たかった。いちばんアタマに来たのは照明だ。画面の明るい部分にだけ強い照明を当て、暗い部分はそのまま。バロック絵画だから明暗を強調させようという実に浅薄な考え。もともと明暗をくっきり描いているからバロック絵画なのに、これでは屋上屋をかさねるがごとき愚行としかいいようがない。でもイタリアに学んだオランダ人のカラヴァッジェスキ、ファン・バビューレンの作品があったのはうれしかった。庭園には、たれパンダみたいな安田侃の彫刻が置いてあった。
[10月25日(木) 村田真]
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司馬江漢の絵画
  10/6〜11/11 府中市美術館[東京]
 
 
司馬江漢の絵画
府中はマネ展をやったり現役作家にスタジオ制作させたり、新設の美術館としてはがんばってる。この展覧会も同館の柱のひとつである東西交流の視点から、江戸時代に洋風表現を試みた司馬江漢の画業を振り返る興味深いもの。初期の鈴木春信門下の浮世絵から花鳥画、山水画を経て、銅版画、油絵にいたり、晩年の淡彩画に回帰するまで集めている。とくに花鳥画や山水画に陰影をつけて立体感を増してくるさまは、まるでホラーだし、絹本油彩の富士遠望図は銭湯のペンキ絵みたいで最高。
[10月27日(土) 村田真]
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大久保英治展
  10/28〜12/28 メゾンエルメス8階フォーラム[東京]
 
 
エルメスの今年のテーマは「未知なる地球の美を求めて」だそうで、それに合致したのが大久保英治。木の枝をマユ状に編んだり、石を幾何学形態に並べたりしたインスタレーション。でもこれって、リチャード・ロングやアンディ・ゴールズワージーとどこが違うの? 教えて、加藤義夫さん。
[10月27日(土) 村田真]
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Walk Don*t Run
  10/8〜27 ギャラリーZERO[大阪]
 
 
桑原正彦、坂井淑恵、政田武史の3人展。すでに活躍が知られている桑原、坂井に加えて、いっしょに出品している新人の政田は京都市立芸大大学院生。現在は大学からの交換制度でロンドンのRCA(王立美術学院)に留学中だ。キャンバスのうえににじませた絵の具が写し出すのは動物の姿。 Walk Don*t Runというタイトル通り、ゆっくり気長に歩いて行って欲しい作家たちだ。
[10月27日(土) 原久子]
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神戸アートアニュアル2001 ねむい、まぶた。
  10/27〜11/18 神戸アートビレッジセンター[神戸]
 
 
神戸アートアニュアル2001 ねむい、まぶた。1
大竹竜太《Mt. underground》2001
神戸アートアニュアル2001 ねむい、まぶた。2
坂川守(タイトル、制作年はいずれも)
《Rocks》2001
11人の若手たちによる展覧会。まだ学生や卒業後間もない作り手たちだが、皆各々に個性がある。出品作家も実行委員のひとりとなってつくりあげるこのグループ展は、タイトルの「ねむい、まぶた。」も、参加者のひとりの発案でつけられたものだ。けっこういろんな意味で内容を言い当てている部分がある。強烈なパンチをくらわしてくれる作品はないものの、後からじわじわきいてきそうなものもある。監修した中川佳宣氏曰く「これから10年はいっしょに仕事をしてゆけるか、どうかも作家選考の基準にした」と言っていた。作り続けることも大事だけど、いつまでも「ねむい〜」ままじゃイヤですよ。
[10月28日(日) 原久子]
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スーパーピュア2001展
  10/15〜11/3 横浜市民ギャラリーほか[神奈川]
 
 

時期を少しずつずらしながら4会場で展示する障害者の作品展。ヨコハマポートサイドギャラリーではオランダとネパールの絵画作品、横浜ランドマークタワーではネパールと日本の立体作品、横浜市民ギャラリーでは日本の絵画・立体作品。まだ始まってないけど横浜ラポールでも展示される。比較するのもなんだが、日本の絵画がもっともインパクトがあった。とくに横浜市民ギャラリーの大江正彦と佐々木卓也の偏った趣味には唖然とさせられる。同展企画委員の山本豊津氏によれば、おもしろい作品が生まれてくる背景には指導者であるアーティストとの密なコミュニケーションがある、とのこと。これは意外だった。他者との交流を拒絶するから極端に偏った作品が生まれてくるのだろうと思っていたのに、偏っていたのは私の見方のほうだったのですね。やはり奥が深い。
[10月28日(日) 村田真]

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江戸の異国趣味
  10/30〜12/9 千葉市美術館[千葉]
 
 
江戸の異国趣味
タイトルだけ見て、てっきり江戸時代の洋風画の展覧会かと思ったら大間違い、サブタイトルに「南蘋風大流行」とあるように、江戸中期に長崎にやってきた中国人画家、沈南蘋の影響を受けた中国風絵画だった。でもおもしろかった。会場に入ると、まず伊藤若冲の《旭日鳳凰図》がドーンとあって、なんと絢爛豪華な幕開けか。江漢、応挙、蕪村ときて、ぶったまげたのが伝郎世寧の「蓮池鵞鳥図」。陰影や立体感がまるで西洋画なんだもん。それもそのはず、郎世寧の本名はジュゼッペ・カスティリオーネ。イタリアから中国に渡ったマフィアじゃなくてイエズス会の伝道師なのだ。そのほか南蘋派の宋紫石、秋田蘭画の小野田直武など見どころいっぱい。でも最後が松平定信のヘタクソな殿様絵画で終わってたりして、いかにも竜頭蛇尾。
[10月29日(月) 村田真]
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