Feb. 18, 1997 (a) | Mar. 4, 1997 (a) |
Column Index - Feb. 18, 1997
a)【ギルバート&ジョージは、 本当にゲイで女性差別主義者で人種差別主義者(だったの)か?】 ……………………● 毛利嘉孝
b)【国際会議「アジアが都市を超える」】
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「アジアが都市を超える」
Rem Koolhaas and the Office for Metropolitan Architecture
ArchiNed Links - Rem Koolhaas/OMA Source Page
カストゥーリ
リュー
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国際会議「アジアが都市を超える」 ●太田佳代子
複雑な胸のうち
アジアがブームである。どこの新聞も、これまでとは打って変わった勢いでアジアネタを取り上げているし、某テレビ局などは香港班だけでも今5つあって、それぞれがいくつかの番組を制作中だそうである。 アジアの死角に突っ込め
だが、なんといってもこの会議をユニークにしたのは、通しでモデレーターを務めたオランダの建築家、レム・コールハースの仕切りである。ハーバード大学院の教授として自らもアジア都市研究を進め、シンガポール論も書いた彼は、アジアの都市に対し、もちろんアンビバレントな心境を抱いている。しかし、ショックと憧憬のあいだで宙づり状態になった自分の心境を、彼は決して抑圧したり隠そうとはしない。絶句してしまうほどの強烈さと不可解さに満ち満ちたこの現象に安易な判断を下したり、意味づけすることが最も危険であり非生産的である、と考える彼は、自分の感情さえ相対化、対象化して、あくまでも全体に忠実であろうとする。私はそこにアジアへの敬意と愛情すら感じる。 同星異夢?
現実離れした開発や未来構想への批判を受けて、マレーシアの建築家カストゥーリは熱弁を振るう。「今、アジアの都市は一斉に競争状態に入っている。そこで生き抜くためには、よりスピーディに走り、より高くジャンプするしかない」。シンガポールの都市計画家リューは訴える。「確かに今のアジア都市は矛盾だらけに見えるかも知れない。しかし、たった数十年で我々はここまで頑張って来たのだ。もう少し長い目で見てほしい」。彼らの都市のエネルギーは2010年、2020年といった未来に向かってダッシュするという構図の中でこそ、生まれてきているのかも知れない。 アジアに地平線をみる
最後に、ハーバード大学院での珠江デルタ地帯の研究を発表したコールハースへの、会場のリアクションは賛否両論、まっぷたつに分かれた。とくに日本の建築家や歴史家たちの目には、それがアジア市場への売り込み作戦だと映ったらしい。まったく情けない。この会議でのコールハースのスタンスは、建築家や都市計画者の存在意義そのものが危機に瀕している、そのことを何にもまして強く突き付けてくるのがアジアの現状である、という深刻かつ、ある意味では危険なものだったのだ。唖然とするほどの意識のズレに、私はまさに建築家の危機を目のあたりにする思いがしたものだ。 [おおた かよこ/編集者]
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a)【ギルバート&ジョージは、 本当にゲイで女性差別主義者で人種差別主義者(だったの)か?】 ……………………● 毛利嘉孝
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