Mar. 11, 1997 Jun. 17, 1997

Art Infomation Index - May 13, 1997


【[ロンドン情報1]
 トレイシー・エミン
 《私には神様が必要なようにアートが必要
 (I Need Art Like I Need God)》展】
 ………………●毛利嘉孝

【[ロンドン情報2]《デヴィッド・ホックニー》展】
 ………………●毛利嘉孝


Art Information Back Number Index



《I Need Art Like I Need God》
会場:
サウス・ロンドン・
ギャラリー
会期:
1997年4月16日
 〜5月18日
問い合わせ:
サウス・ロンドン・
ギャラリー
South London Gallery
65 Peckham Road London SE5
TEL.0171-703-6120

[ロンドン情報1]
トレイシー・エミン
《私には神様が必要なようにアートが必要
(I Need Art Like I Need God)》展

●毛利嘉孝



今ロンドンで一番話題の展覧会といえば、このトレイシー・エミンの初めての大規模な個展だろう。あまり彼女の作品に馴染みのない人のために少し紹介をしておくと、彼女を一躍有名にしたのは『1963年から1995年まで私が寝た全ての男』という作品。この作品は青いキャンプ用のテントでできており、外側には可愛いアップリケでつくったピンクの文字で1963-1995と数字が書かれている。問題はその中身で、その内側にはまさに作品のタイトルが示唆しているとおり、彼女がこれまでベッドをともにした100人あまりの男の名前がアップリケで縫いつけられているのだ。この露悪的な作品は、このことを予期していなかった当事者(その中には、展覧会のキュレーターの名前も見える!)たちの当惑をよそに、センセーショナルに受け入れられエミンの名前を一躍有名にした。
  今回の展覧会は《私には神様が必要なようにアートが必要(I Need Art Like I Need God)》と題され、このテントの作品の延長線上にある。会場には、彼女の日常……ノートのメモ書き、日常の写真、日々の生活のビデオ、性生活、そしてスタジオを再現したインスタレーション……などが作品として展示されている。テントの作品は今回出品されていないが、特に笑えるのは展覧会場わきに貼ってある新聞の展覧会評の横に張られたエミンのコメント。そこでは、その評論家が、彼女が学生の頃、作品を見に来るといっては何度も約束をすっぽかした様子が克明に記述され告発されている。イギリス美術界の宅八郎ともいうべきトレイシー・エミンの面目躍如といった観。必見。

[もうり よしたか/
カルチュラル・スタディーズ]
mouri@dircon.co.uk

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《David Hockney》
会場:
アネリー・ジュダ・
ファイン・アート
会期:
1997年5月1日
 〜7月19日
問い合わせ:
アネリー・ジュダ・
ファイン・アート
Annely Juda Fine Art
23 Dering Street London W1
TEL.0171-629-7578





David Hockney - Reference Page
http://www.artincontext.
com/listings/pages/artist/
8/2i3qorj8/menu.htm

GAGA LIBRARY: A BIGGER SPLASH
http://www.gaga.co.jp/
movies/library/bigger.html

Cezanne
http://whyy.org/
cezanne/index.html

Vincent van Gogh
http://www.ugrad.cs.jhu.edu/
~baker/van_gogh.html

Vincent van Gogh
http://www.seanet.com/
HTML/Users/mfost/
van/van00.html

[ロンドン情報2]
《ピーター・ブレイク展》
- 毛利嘉孝
Art Information
- Dec. 3, 1996

[ロンドン情報2]
《デヴィッド・ホックニー》展

●毛利嘉孝



イギリス出身のデヴィッド・ホックニーの久しぶりのロンドンでの大きな展覧会。実に88年のテイト・ギャラリー以来、約10年ぶりである。60才の誕生日を祝ってということらしい。作品は、花や花瓶などの静物画と肖像画など未発表のものばかり18点。色使いは例の鮮やかでポップなホックニーのままだが、セザンヌとゴッホをあわせたような奇妙な筆先によって古典的な題材が伝統的な、しかし、考え抜かれた構図によって構成されており、奇妙な作品群となっている。
  評者は必ずしもホックニーに対して肯定的な評価をしていなかったのだが、この展覧会ですっかり評価を変えてしまった。同じイギリスのポップ・アート界の重鎮ピーター・ブレイクの先日の展覧会の無惨さと比較しても、あまりにも有名になりすぎているこの画家の「新しい」試みは注目に値する、と思う。

[もうり よしたか/
カルチュラル・スタディーズ]
mouri@dircon.co.uk

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