Apr. 15, 1997 | Apr. 29, 1997 |
Art Watch Index - Apr. 22, 1997
【イギリス現代美術の連続性を考える −ヘイワード・ギャラリー《マテリアル・カルチャー展》】 ………………●毛利嘉孝
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《マテリアル・カルチャー: 1980年代と90年代のイギリス美術におけるオブジェ》
アリソン・ワイルディング
コーネリア・パーカー
ゲイリー・パーキンス
セリス・ウィン・エヴァン
デミアン・ハースト
グレンヴィル・デイヴィー
サラ・ルーカス 写真:ヘイワード・ギャラリー
White Cube: Damien Hirst http://www.whitecube. com/artists/dh.html
Hot Wired: POP | Gallery | Work by Damien Hirst
Damien Hirst Biography
Damien Hirst
Rachel Whiteread - Reference Page
Portikus Frankfurt:Sarah Lucas
White Cube: Gavin Turk
Douglas Gordon Biography
White Cube: Mona Hatoum
Mona Hatoum
MONA HATOUM
Mona Hatoum - Reference Page
Peter Greenaway
Peter Greenaway - Reference Page
White Cube: Antony Gormley
Howard Hodgkin - Reference Page
HOWARD HODGIKIN, Moonlight
リチャード・ハミルトン
Ian Hamilton Finlay
Houston, MFA Cullen Sculpture Garden: Tony Cragg
Tony Cragg - Reference Page
Richard Deacon - Reference Page
Anish Kapoor - Reference Page
Mattress Factory Past Works: Alison Wilding
WebMuseum: Turner, Joseph Mallord William
WebMuseum: Bacon, Francis
UD Art : Francis Bacon
ギルバート&ジョージ
ギルバート&ジョージ
Gilbert and George - Reference Page
White Cube: Cerith Wyn Evans
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イギリス現代美術の連続性を考える ●毛利嘉孝
今イギリス美術はおもしろい?
「今イギリスの美術がおもしろい」と言われている。こうした言説が、イギリス以外の国でどの程度説得力をもって受け入れられているのか、イギリスに住む評者は判断することができない。しかし、イギリス国内においてはこの認識は定着しているのは確実のようにみえる。 イギリス現代美術の連続性
しかし、イギリス美術が80年代の後半から突然おもしろくなったわけではない。本展は、このことをオブジェという形式にこだわることで示そうとしているようにみえる。展覧会は上述の比較的若い世代だけではなく同時に、すでに巨匠として認識されているリチャード・ハミルトン、ジョン・レイサム、イアン・ハミルトン・フィンレイといった世代や、ハースト以降の世代に先行するトニー・クラッグ、リチャード・ディーコン、アニッシュ・カプールといった世代の作品も含んでいる。そして、驚かされるのはにわかに「おもしろい」作家たちとして脚光を浴びている若い世代の作品が、その前の世代と大きな共通点を有していることである。 日常生活の「物」と美術の「作品」との関係
評者はかねてから、なぜイギリスでは美術が発達してこなかったのか、気になっていた。よく考えてみれば、ターナーとフランシス・ベーコンを例外として歴史的にイギリスが世界の美術史で重要な役割を果たしたことはほとんどない。現代美術も80年代後半に突如盛り上がるまでは、ギルバート&ジョージやリチャード・ハミルトンを数少ない例外として、よっぽどの変わり者でなければイギリスの美術をフォローしていなかったのではないだろうか? そして、まさにこの事実がこの展覧会で感じられたある一定の傾向と関係していたのではないか、という気がするのだ。イギリスの美術は、イギリスの美術があるがゆえに「美術」になりえなかったのではないか? これは、おそらく美術作品と日常生活の物との「距離」にかかわっている。
[もうり よしたか/
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