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Column Index - Apr. 15, 1997
a)【《TOKYO TODAY》 これは東京かもしれない。……で?】 ……………………●飯沢耕太郎
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《TOKYO TODAY
スウェーデンの新聞社の写真家からフリーになったラース・トゥンビヨルク
さまざまな手法を駆使した実験的作品で知られるパオロ・ジオーリ
『カメラ・オーストリア』の創刊者として知られるマンフレッド・ヴィルマン
写真:東京都写真美術館
TOKYO TODAY
Spanish Photography Database, Joan Fontcuberta
"THE REAL, THE FICTIONS, THE VIRTUAL"
- introdoction from Joan Fontcuberta
Palazzo delle Esposizioni/1996 - Paolo Gioli
Paolo Gioli
Lars Tunbjork - Reference Page
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《TOKYO TODAY》 ●飯沢耕太郎
展覧会開催の経緯
《TOKYO TODAY》展はよくわからない展覧会である。オープニングの日に展示を観て、カタログをもらってきて、もう一度内容を確認して、普通なら展覧会の意図や輪郭がつかめそうなものなのだが、この企画に関してはどうも釈然としない部分が残る。 「東京」の断片をどう扱うか
たしかに参加した24人はそれぞれ力のある写真家たちであり、個々の作品もそれなりにレベルが高い。しかし、たとえばスペインのジョアン・フォンクベルタ、オーストリアのマンフレッド・ヴィルマン、イタリアのパオロ・ジオーリのようなマニピュレーション(操作・加工)の手法を駆使して独自の表現をおこなう写真家の作品を、他のドキュメンタリー色の強い写真家たちの作品と並べれば、不協和音を生じさせるだけだろう。デルピールが自ら認めているように「わたしが選んだ24人の写真家たちの誰をとっても、事実を客観的に伝えようとする気負いなど更々ない」ならば、展覧会の形式としては個展の集積以外考えられないはずだ。ところが実際の展示は、スウェーデンのラース・トゥンビヨルクのような特定の作家の作品があちこちにちりばめられており、きわめてわかりにくいものになっていた。この混乱の印象こそ東京なのだと強弁されればそれまでだが、内容も大きさもばらばらな写真を並べただけでは、展覧会のキュレーションを放棄したと言われても仕方がないだろう。 [いいざわ こうたろう/写真評論家]
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