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ヨーロッパ3大国際展オープン | 名古屋 覚 | ||||||
日本の現代アート界が熱狂する、ヨーロッパの“アートの季節”が巡ってきた。今年は1年おきに開催されるイタリアの「ヴェネツィア・ビエンナーレ」、5年ごとに開かれるドイツ・カッセルの「ドクメンタ」、さらに10年に1度催される同じくドイツ・ミュンスターの「彫刻プロジェクト」が重なったため、6月中旬、相次いでオープンしたこの3大国際展を一度に見ようと、物見高い日本のアート業界人がヨーロッパにどっと繰り出した。ヴェネツィア・ビエンナーレでこそ日本館の展示や、国際的に注目される若い日本人アーティストの存在でいくらか話題となった“日本”だが、ドクメンタでは日本のアーティスト不在のなかを、日本から参じた美術関係者ばかりが歩き回るという、奇妙ともいえる光景が見られたのである。日本のアート人――アーティスト、キュレーター、そしてクリティック――が、“ツーリスト”でなく堂々たる“プレイヤー”として世界のアートシーンで活躍するために必要なのは何か、真剣に考える機会とすべきヨーロッパの夏である。 | |||||||
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