島田康寬(しまだ・やすひろ)
立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘教授。京都府立堂本印象美術館館長。1945年奈良県生まれ。1968年関西学院大学文学部美学科卒業。 1968年奈良県立文化会館学芸員、1972年奈良県立美術館開設事務所学芸員、1973年奈良県立美術館学芸員、1975年京都国立近代美術館研究員、主任研究官、学芸課長を経て、2006年立命館大学文学部特別招聘教授、2010年から現職。専門:近代日本美術史。所属学会:美術史学会、美術評論家連盟。主な受賞:第3回倫雅美術奨励賞(1991)。主な編著書:『近代日本画東西の巨匠たち』(京都新聞社, 1987)、『京都の日本画─近代の揺籃』(京都新聞社, 1991)、『変容する美意識 日本洋画の展開』(京都新聞出版センター, 1994)、福田平八郎著, 島田康寛編『福田平八郎』(光村推古書院, 2001)など。
福田平八郎(ふくだ・へいはちろう)
日本画家。1892〜1974年。大分市生まれ。薬種業の大番頭を務める父馬太郎、母アン(安)の長男。平八郎は本名。九州、素僊の号。印に馬安、馬平安がある。19歳(明治43)で画家を志し京都に出る。京都市立絵画専門学校(絵専)、京都市立美術工芸学校(美工)に学ぶ。美工の卒業制作《雨後》が学校の買い上げとなる。1919(大正8)年第1回帝展で《雪》が初入選。第3回帝展で《鯉》が宮内省買い上げに。後に帝展審査員。研究団体の六潮会(りくちょうかい)に参加。絵専、美工で後進の育成。初期の写実描写から装飾的傾向を強め、大胆な色面構成へ向かう。1961年文化勲章受章。代表作に《漣(さざなみ)》《雨》《新雪》など。
デジタル画像のメタデータ
タイトル:漣 。作者:影山幸一。主題:日本の絵画。内容記述:福田平八郎, 1932年, 絹本着色, 二曲一隻, 縦157.0 ×横184.8cm。公開者:(株)DNPアートコミュニケーションズ。寄与者:大阪市立近代美術館建設準備室。日付:2011.4.7。資源タイプ:イメージ。フォーマット:Photoshop, 7.8MB。資源識別子:4×5カラーポジフィルム, Kodak 6121 2702。情報源:大阪市立近代美術館建設準備室。言語:日本語。体系時間的・空間的範囲:─。権利関係:福田宗平, 大阪市立近代美術館建設準備室。
【画像製作レポート】
作品画像を借用する依頼書を大阪市立近代美術館建設準備室へFaxとメールで送信。折り返し「掲載許可申請要項」がメールに添付されて受信。必要事項を記載し郵送。『著作権台帳 ─ 文化人名録』で著作権者の連絡先を調べて電話をし、「Webサイト掲載証明書」を郵送。3日後に署名・捺印を得て、大阪市立近代美術館建設準備室へFax。そして2日ほどで4×5カラーポジフィルム(カラーガイド・グレースケール付き)が書留で郵送されてきた。写真貸出料、著作権料は共に無料。プロラボにて各350dpi, 10MBにデジタル化し、TIFFファイルに保存。1,050円。
iMacの21インチモニターをEye-One Display2(X-Rite)によって調整後、画像の色調整作業に入る。モニターに表示されたカラーガイドと作品の画像に写っているカラーガイド・グレースケールを参照しながら、目視により色を調整。画面を0.1度反時計回りに画像を回転させ、屏風の黒縁に合わせて切り抜く。Photoshop形:7.8MBに保存。モニター表示のカラーガイド(Kodak Color Separation Guide and Gray Scale Q-13)は事前にスキャニング(brother MyMiO MFC-620CLN, 8bit, 600dpi)。
写真掲載にあたって、作品のイメージを損なわないよう、部分使用・トリミング・文字のせ等は原則禁止。平八郎の落款部分をトリミングして見やすく掲載したかったが諦めることにした。文化を守りつつ、文化を広めていく難しさがここにも表われている。
セキュリティーを考慮して、画像には電子透かし「Digimarc」を埋め込み、高解像度画像高速表示Flashデータ「ZOOFLA」によって、コピー防止と拡大表示ができるようにしている。
[2021年4月、Flashのサポート終了にともない高解像度画像高速表示データ「ZOOFLA for HTML5」に変換しました]
参考文献
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座右宝刊行会編『現代日本美術全集6 福田平八郎』1973.4.25, 集英社
富士正晴・弦田平八郎・高階秀爾『日本の名画22 福田平八郎』1976.1.25, 中央公論社
福田平八郎『福田平八郎』1976.9.30, 日本経済新聞社
今泉篤男『今泉篤男著作集3 日本画論』p.34-p.68, 1979.6.25, 求龍堂
『アサヒグラフ別冊 日本編26 美術特集 福田平八郎』1981.11.15, 朝日新聞社
河北倫明・岩崎吉一『福田平八郎 作品と素描I・II』1982.10.25, 光村図書出版
島田康寬『近代日本画 東西の巨匠たち』1987.5.11, 京都新聞社
北澤憲昭『眼の神殿「美術」受容史ノート』1989.9.30, 美術出版社
福田平八郎著・島田康寬編『現代の日本画[3] 福田平八郎』1991.6.1, 学習研究社
福田平八郎著・島田康寬編『現代日本素描全集③ 福田平八郎』(監修:河北倫明, 責任編集:島田康寬)1992.3.25, ぎょうせい
図録『ART IN JAPANESQUE──現代の「日本画」と「日本画」的イメージ』1993, 財団法人品川文化振興事業団 O美術館
図録『日本の美と心 山種美術館展 近・現代日本画の精華』1994.10.7, 新潟県立近代美術館
佐藤道信『〈日本美術〉誕生』1996.12.10, 講談社
図録『自然と日常──見る歓び 福田平八郎展』1998, 朝日新聞社
東京国立文化財研究所編『語る現在, 語られる過去 日本の美術史学100年』1999.5.19, 平凡社
北澤憲昭・木下長宏・イザベル・シャリエ・山梨俊夫編『美術のゆくえ, 美術史の現代 日本・近代・美術』1999.8.25, 平凡社
岡崎麻美「近代日本画史における〔平八郎様式〕──福田平八郎筆《漣》を中心に──」『美学論究』第15編, p.53-p.67, 2000.3.20, 関西学院大学文学部美学研究室
北澤憲昭『「日本画」の転位』2003.3.20, ブリュッケ
田中修二「福田平八郎の〔装飾画〕」『大分大学教育福祉科学部研究紀要』第26巻, 第1号, p.17-p.32, 2004.4.1, 大分大学教育福祉科学部
「日本画」シンポジウム記録集編集委員会編『「日本画」──内と外のあいだで シンポジウム(転位する「日本画」)記録集』2004.5.30, ブリュッケ
Webサイト: 「福田平八郎」『KIRIN ART GALLERY 美の巨人たち』2006.1.7(http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/data/060107/)TV TOKYO, 2011.3.30
大阪市立近代美術館建設準備室編『ニッポンVS美術 近代日本画と現代美術:大観・栖鳳から村上隆まで』2006.10.27, 東方出版
佐藤道信『シリーズ近代美術のゆくえ 美術のアイデンティティー 誰のために、何のために』2007.3.1, 吉川弘文館
図録『福田平八郎展』(監修:島田康寬)2007.4.24, 京都新聞社
Webサイト:「福田平八郎展」『京都国立近代美術館』2008.6.19(http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2007/354.html)京都国立近代美術館, 2011.4.3
古田 亮監修『別冊太陽 日本のこころ154 近代日本の画家たち 日本画・洋画 美の競演』2008.8.22, 平凡社
図録『画家の眼差し、レンズの眼──近代日本の写真と絵画』p.114-p.115, 2009, 神奈川県立近代美術館
Webサイト: 「〔画家の眼差し、レンズの眼 近代日本の写真と絵画〕神奈川県立近代美術館 葉山」
『あるYoginiの日常』2009.8.10(http://memeyogini.blog51.fc2.com/blog-entry-741.html)meme, 2011.4.3
Webサイト: 鶴見香織「4月22日 レクチャー「近代日本画 10のキーワード」」『武蔵野美術大学日本画学科*展覧会ブログ』2010.4.24(http://blog.goo.ne.jp/enter-nichiga/e/39d89fd8f5eed5de3dca99a023c37712)武蔵野美術大学日本画学科, 2011.4.3
Webサイト: 小川知子「今月の1点〜近代美術館コレクションより 福田平八郎《漣》」『大阪市』2010.9
(http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000024033.html#201009)大阪市立近代美術館建設準備室, 2011.4.3
2011年4月