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展覧会レビュー
第3回府中ビエンナーレ
10/21〜12/24 府中市美術館[東京]
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第3回府中ビエンナーレ
サブタイトルは「美と価値──ポストバブル世代の7人」というので、カネや経済をテーマにした展覧会かと思ったら(一部そういう作品もあるが)、そうではなく、美の価値そのものが揺らぎ始めたバブル崩壊後に出発し、それぞれの美と価値を見い出そうとするアーティストを選んだらしい。球体ガラスに外界を写し込んだ大竹敦人、家具を薄くスライスした表面に線刻した窪田美樹、映像の小林耕平、絵画の境澤邦泰、ポップ・コンセプチュアルともいうべき豊嶋康子、純粋詩の松井茂、コンピュータ処理した画像をキャンヴァスに描いた森本太郎の7人。それぞれ一長一短あっておもしろいけど、作品はともかく作者の言葉に惹かれたのが境澤だ。「モチーフは文字通り絵を描くための動機となると同時に、描いている絵画から目をそらすためのものでもあります」とか、「画家が見る絵とは、いつでも出来上がった絵ではなく出来上がるまでの制作中の作品で、制作の論理は、描かれた絵ではなく描かれている絵に発動し、画家の思いも歴史とともに画面に塗り込められていきます」とか(同展カタログより)。しかしそれを作品にすると、本江邦夫館長のいう「内的価値」は満たされても「外的価値」が満たされるとは限らない。比喩的にいえば、正解とか真実というものは往々にしてつまらないということだ。
[12月3日 村田真]
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