荒木経惟──東京人生
10/17〜12/24
江戸東京博物館
[東京]
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60年代から現在にいたるまでの写真およそ700点あまりが、ほぼ時系列に沿ったかたちで展示されている。この流れに沿って見ていくうちに、どういうわけか「戦後民主主義」という言葉が思い浮かんだ。貧しい時代の子どもたち、繁華街の都市風俗、大衆の笑顔と生の肯定、そしてヌード写真の前提とされている「誰もが美しい」という建前。この写真家の人気は、ぼくらの身体に染みついてしまった戦後民主主義という大衆的な感受性に由来しているのかもしれない。けれども、経済的にも政治的にも文化的にも、戦後民主主義という神話が破綻をきたしている今となっては、荒木の写真が古色を帯びているということ以上に、それらを受容する感性そのものが相対化されてしまっていることが浮彫りにされていた。
[11月21日 福住廉]
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