大竹伸朗──全景
10/14〜12/24
東京都現代美術館
［東京］
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東京都現代美術館の企画展示室全フロアを使った大竹伸朗の回顧展。いわゆる絵画のみならず、スクラップブックや写真、印刷物、音楽、少年時代のスケッチや作文にいたるまで、多種多様な作品を目の当たりにすると、何よりもその物量に圧倒される。だがそれは、たとえていうなら、カレーライスとラーメン定食と天丼を立て続けに食べさせられるようなもので、一言で言えば「くどい」。展覧会を見終わったあとのどうしょうもない疲労感は、感動に打ちひしがれたというより、むしろ油ものを食べ過ぎたあとの胃のもたれに似ている。こうした脂質は「パンク」とも「ロック」とも、あるいは「80年代的」とも言い換えられるが、いずれにしろ、モードとしてはすでに古くなっている。とりわけ、人びとの興味がモノとしての作品から徐々に遠ざかり、クリエイションにたいする作り手の欲望の水準も相対的に引き下がりつつある昨今の状況を考えれば、大竹伸朗は従来の意味での「アーティスト」としては最後なのかもしれない。
［12月7日 福住廉］
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