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25人の絵画展 |
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4/26〜6/29 損保ジャパン東郷青児美術館[東京] |
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東郷青児美術館大賞とかいうのがもう4半世紀も続いていて、その受賞者を集めた25周年記念展。この大賞、東郷青児美術館のできた翌年に青児みずから提唱し、第1回は青児みずから選考委員長を務めたという真にありがたいというか、おめでたい賞だ。第1回の宮永岳彦以下、三尾公三、島田章三、松樹路人と続く受賞者の顔ぶれを見ると、安井賞を高齢化させただけじゃないかとの疑問もわくが、その疑問をだれかが口にしたのか、のちに堂本尚郎や前田常作ら非具象作家もちゃんと入れている。でも結局、なにを基準に選んでいるのかよくわからないのであった。
[5月29日(木) 村田真] |
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ジャン=シャルル・ブレ新作展 |
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5/14〜6/28 ケンジタキギャラリー東京[東京] |
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シャルル・ブレといえば丸い光しか見たことなかったが、ちゃんとドローイングも描いてるし映像もつくってる。ところでドローイングと映像が並んでる場合、ぼくはドローイングしか見ないことが多いけど、ここでは逆に映像ばかり見てしまった。その理由を考えると、(1)どちらも純粋な抽象形態だったので、映像に対する偏見を払拭できたから。(2)映像のほうが錯視的で思わず目が惹きつけられてしまったから。(3)ドローイングがヘタだったから。
[5月29日(木) 村田真] |
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生意気 ULTRADELUXE OSAKAAAAA!!! |
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5/30〜7/8 KPOキリンプラザ大阪[大阪] |
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東京を拠点に活動するマイケルとディビッドの2人のユニット。「生意気、大阪本店。」ということで、彼らのスタジオをそのまま大阪に作ってしまったような展覧会。彼らがデザインした模様をアフガンで手織りの絨毯に仕上げていたがこれがかなりよかった。会期中にクラブ・イヴェントあり、ライブありの脳内解放なハチャメチャ企画。
[5月30日(金) 原久子] |
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おんなのけしき 世界のとどろき |
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5/31〜7/14 東京日仏学院[東京] |
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ひらがなで「おんなのけしき」と書かれるとまるで演歌だ。でも「女の景色」だと堅いうえにイロが出てしまうし、フランス語の「Paysages feminins」だとたじろいでしまうし。キュレーターは武蔵野美大教授の岡部あおみで、出品は真島直子、ピエール・ユイグ、塩田千春、関直美ら10人。うち映像が半数を占め、あとはドローイング、写真、彫刻、そしてふたりは卒論の本を出していた。映像は橋本公と武智子のみ最後まで見た。橋本の《1945-1998》は、モニターに映し出された世界地図のあっちこっちで閃光が点滅する。なにかと思ったら、約半世紀のあいだに世界各地でおこなわれた核実験(計2053回!)を記録したものだという。オランダ在住の武智子による《ダッチ・ワイフ/ダッチ・ライフ1996-2001》は、自分の母と顔を知らない父、腹違いの妹が登場する自伝的ドキュメンタリー。この作品は、タイトルが単なるシャレでないばかりか、同展のコンセプトにもっともマッチしている。
[5月31日(土) 村田真] |
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地平線の夢 |
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6/3〜7/12 東京国立近代美術館[東京] |
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昭和10年代の絵画を「地平線」というモチーフから切り取った企画展。作品には地平線(または水平線)が描かれているわけだが(例外的に描かれてないものもある)、それはこれまでダリをはじめとするシュルレアリスムの影響、あるいは模倣だと見られてきた。しかしこれらの制作時期はプロレタリア芸術と戦争記録画にはさまれた閉塞的な時代であり、地平線は遠い理想郷にあこがれるロマンティックな精神を反映しているのではないかと。まあ、そんなゴタクはどうでもいい。出品作家の半分くらいは知らないせいもあって、未視感と既視感が交錯する印象深い展覧会になっている。少しは知ってる作家でも、たとえば大沢昌助はなんて清新な絵を描いていたのだろうと感心させられるのだ。こうした美術史の隙間を発掘し再検証する企画展は、いまだからこそもっと評価されるべきだろう。
[6月2日(月) 村田真] |
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本田健展 |
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6/2〜13 ギャラリープス[東京] |
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米やタンポポや雪についたけものの足跡など、遠野に住む本田には身近なモチーフをしっかりとしたマチエールで描いている。日の丸をトリミングした作品は、ジャスパー・ジョーンズの星条旗と似て非なるものの、やっぱり少し似てるかも。本田のもう一方の、機械的な作業に終始するフォトリアリズムの鉛筆画とは対極にある仕事。
[6月2日(月) 村田真] |
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PresentA '03 |
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6/3〜15 東京藝術大学陳列館・学生会館[東京] |
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東京藝大とミュンヘン国立芸術アカデミーとの交流展。藝大は油画を中心とした混成部隊だが、ミュンヘンは自由美術・陶研究室の学生たち。そのせいか、ミュンヘン側の約半数はセラミック作品だ。奥村雄樹の爪とかシュザンナ・デ・ヴィタのモザイク画とか、個々にはおもしろい作品もあったけど、交流展であることの必然性が見えてこない。ドイツと日本の学生がそれぞれの地に行って作品を展示するなら、その地理的距離、作品の物理的制約、コミュニケーションの限界といったことを作品化したものがもっとあってもよかったような気がする。まあ日本側の内部だけでもコミュニケーションの限界があったのかもしれないけれど。
[6月2日(月) 村田真] |
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