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展覧会レビュー

村田真 原久子

イリヤ&エミリア・カバコフ「Where is our place?」
6/12〜9/7 ケリーニ・スタンパリア財団[イタリア]
 
 
イリヤ&エミリア・カバコフ「Where is our place?」
暑いなかアルセナーレから歩いたものの場所がわからず、さんざん探しまわったすえに見つける。ヴェネツィアはどこも建物の外観こそ古いけど、内部は近代的。ここは冷房も効いていて助かったー。写真と言葉が半々のパネル展示が続く。大きな部屋に出ると、いきなり天井から紳士淑女の巨大な足が伸び、壁にはこれまた巨大な額絵の下半分がのぞいている。つまり巨人たちのギャラリーに迷い込んだ設定なのだ。パネルの言葉(英語)はかったるいので読まなかったが、インスタレーションだけで十分に楽しめた。来年には森美術館に巡回する予定。
[6月18日(水) 村田真]
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アカデミア美術館[イタリア]
 
  ジャルディーニにパビリオンをもたないいくつかの国は、アカデミア周辺の建物を借りて展示している。シンガポール、ウクライナ、マケドニアなど見ていくうちに雨が降ってきたので中断し、アカデミア美術館に入る。ここはルネサンス・ヴェネツィア派の宝庫。といっても国際的に活躍したティツィアーノは少なく、ベッリーニ一族、カルパッチョ、ヴェロネーゼが見どころですね。なかでもジョルジョーネの妖しげな《嵐(ラ・テンペスト)》は何度見ても見飽きない。雨がやむまで待って、ホテル近くの中華料理屋で定食。
[6月18日(水) 村田真]
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Black My Story
4/12〜8/16 Museum De Paviljoens[アルメール(Almere)/オランダ]
 
  アムステルダム市内から在来線で約20分のアルメールには、92年のドクメンタ9で建設された建物を移築して美術館に使用しているMuseum De Paviljoensがある。ここで開催中の展覧会は西洋諸国以外出身でヨーロッパに居住するアーティストたち5名のグループ展。それぞれの視点を通してとらえた文化の考察を展覧会というかたちで提示。日本人でアムステルダム在住の渡辺睦子も《chikahome》を出品。
[6月18日(水) 原久子]
《chikahome》 《chikahome》 《chikahome》
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サン・マルコ大聖堂[イタリア]
 
  今日は午後の飛行機でパリに向かうので、午前中は観光。数えてみればヴェネツィアを訪れるのはもう9回目なのに、サン・マルコ大聖堂のなかに入ったのは最初の2、3回だけ。久しぶりに入ったら、奇妙なことになんの感動も違和感も覚えなかった。偉大な建築とはそういうものかもしれない。ただ感性が鈍っただけかもしれないけど。ヴァポレットとバスを乗り継いで空港に着いたら、飛行機は1時間半の遅れ。カフェでサラダを食い、コーヒーを飲んで待つ。夜7時ごろパリ着。まだぜーんぜん明るい。サン・ラザール駅近くの安ホテルに投宿し、近所のギリシア・トルコ料理店で羊の焼肉定食。
[6月19日(木) 村田真]
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マリーナ・アブラモビッチ VIDEOWORKS展
  5/9〜7/5 モンテビデオ[アムステルダム/オランダ]
 
 
マリーナ・アブラモビッチ VIDEOWORKS展
アブラモビッチがこれまでに発表したビデオ作品ばかりを集めた展覧会。プロジェクション展示、モニターによる展示。アーカイヴを検索できるコンピュータを用いた展示などの構成。僧侶がお経を唱える様子を用いたインスタレーションは、たくさんの僧侶の顔を前にリクライニグ椅子に寝転がって観るもので、映像効果といい音響効果といい圧巻。
[6月19日(木) 原久子]
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レオナルド・ダ・ヴィンチ展
  5/9〜7/14 ルーヴル美術館[フランス]
 
 
ルーヴル美術館
メトロのルーヴル駅で3日間有効のカルテ・ミュゼ(30ユーロ)を買う。これさえあればほとんどの美術館はフリーパス。でもレオナルド展は特別展なので有料だった。出品は《岩窟の聖母》《聖アンナと聖母子》など3、4点の油絵を除き、あとはすべて素描。最後の部屋ではジェームズ・コールマンによる《最後の晩餐》の映像が流れていた。さすがに《モナ・リザ》は常設からはずせないのか、こちらには出ていない。その《モナ・リザ》は常設されていた部屋が閉鎖され、グランギャルリーの奥に移動している。そのため人の流れがいつもとは違う。日本人だけでなく、ルーヴルに来る人の大半は《モナ・リザ》がお目当てなのだ。常設展ではまず、リシュリュー翼の北方ルネサンス、17世紀オランダ・フランドル絵画を見る。カフェでサラダランチを食って、こんどはドゥノン翼でイタリアのバロック絵画を復習。こちらではミケランジェロの素描展(常設展料金)もやっていて、ルネサンスの二大巨匠の素描を比べることができた。ひとことでいえばレオの素描は「図」であり、ミケのほうが「絵」に近い。結局、警備員に追い出される午後6時まで約9時間をルーヴルですごす。それでもルーヴル全体の半分も見ていない。夕食も美術館の地下につながる商店街でレバノン料理を。
[6月20日(金) 村田真]
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オルセー美術館[フランス]
 
 
オルセー美術館
午前中もういちどルーヴルに行き、昨日見逃したシュリー翼のフランス絵画を見てからオルセーへ。正面玄関が工事中のため脇から入る。数百点のダゲレオタイプを集めた特集展示「フランスのダゲレオタイプ」を見て、館内を一周。大股開きを描いたクールベの《世界の起源》が堂々と展示されている。それにしても、10年以上も前に訪れたときは印象派以外の作品、とくにサロン絵画が多いことに違和感を覚えたものだが、今回は逆に、サロン絵画の展示が意外に少ないという印象をもった。その時々の興味のありようによって美術館の見方もずいぶん変わってくるものだ。カフェでまたサラダランチ。
[6月21日(土) 村田真]
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