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展覧会レビュー

村田真 原久子

ドラクロワ美術館[フランス]
 
 
ドラクロワ美術館
たらたら歩いてサン・ジェルマンのドラクロワ美術館へ。ここはドラクロワが晩年をすごした場所だ。個人美術館でもギュスターヴ・モロー美術館とは違い、展示作品は版画程度で見るべきものはほとんどないが、アトリエや中庭はなかなか気分がよく、ロマン派の画家の生活がしのばれる。
[6月21日(土) 村田真]
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ポンタヴァン派とゴーガンの冒険
4/2〜6/22 リュクサンブール美術館[フランス]
 
  ゴーガンの没後100周年記念展。鳴り物入りの大型展というわけでもないのに、チケット売場の前は列をなしている。あとで気づいたが、今日は最終日の前日だったのだ。異常な暑さのなか15分ほど待って入場したものの、館内は混雑して冷房も効かず、落ちついて見ることができないので早々と退散。
[6月21日(土) 村田真]
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ポンピドゥー・センター[フランス]
 
 
ポンピドゥー・センター
サン・ジェルマン界隈をぶらぶらしてポンピドゥー・センターへ。リニューアルしてから初の訪問。7階(こちらでは6階)ではニコラ・ド・スタールとジャック・アンリ・ラルティーグの特別展をやっていたが、それはパスして5〜6階の国立近代美術館の常設展のみを見る。6階が1905年から60年まで、5階が60年以降という分け方だ。どちらも館内にもういちどホワイトキューブのハコを10個ほどつくり、そこに作品を並べている。それぞれのハコごとにまとまりを見せつつ、ハコからハコへ進むことで歴史的展開をも示している。ちょうどMoMAの線的展示とテート・モダンのテーマ別展示の中間をいく展示方法だ。ルーヴルにせよオルセーにせよポンピドゥーにせよ、ディスプレイに関しては意外にヘタクソだと思った。
[6月21日(土) 村田真]
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ギュスターヴ・モロー美術館[フランス]
 
  ホテルから歩いて10分ほど。ここは18年ぶりの再訪になる。螺旋階段によってつながった2フロアにびっしりと絵が展示され、収納棚の素描や水彩も見ることができる。神話を主題にしたその作品もさることながら、壁全体を埋めつくすかのようなディスプレイがいっそう幻想的な雰囲気を高めている。個人美術館では、ロンドンのサー・ジョン・ソーン美術館と並ぶ最高の美術館のひとつ。
[6月22日(日) 村田真]
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マックス・フルニー素朴派美術館[フランス]
 
  モンマルトルの丘の下に建つ鉄骨のパビリオンの半分が、マックス・フルニーの創設した素朴派美術館になっている。ここでいう素朴派(ナイーフ)とはアウトサイダーアートのこと。この時期は常設展はなく、フィリップ・ドゥリューとルネ・モリューというふたりの個展が開かれていた。ドゥリューはオレンジの皮や種、カボチャの外皮などを素材に人の顔を描き、モリューは板にペインティングした抽象画や、ガラクタを集積した作品。このふたりもそうだが、アウトサイダーアートにはキャンヴァスに油彩作品というのがきわめて少ない。それだけキャンヴァスに油彩は熟練を要するものだし、またアウトサイダーアートは身近な素材でつくりあげるということだ。
[6月22日(日) 村田真]
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パレ・ド・トーキョー[フランス]
 
  パリ市立近代美術館の横のパレ・ド・トーキョーに誕生した現代美術ギャラリー。この建物はもともと、ピカソが《ゲルニカ》を発表したことで有名な1937年のパリ万博のさいに建てられたパビリオンで、ポンピドゥー・センターに移る前の国立近代美術館が入っていたところ。1982年に初めてパリを訪れたときは、たしかパリ・ビエンナーレがここを会場にしていたはずだ。がらんとした内部はほとんど改装されることなく、倉庫のような状態でギャラリー空間として使われている。展覧会は、GNSというグループ名なのか展覧会名なのかもわからないアーティストたちの作品展と、ラース・ニルソンとギョーム・パリの個展。美術館のようにきっちりと管理されてない分、オープンで祝祭的雰囲気すら漂う。いい意味でいいかげんなのだ。外に出たら「村田くーん」と呼び声が。写真家の安斎重男さんだった。大日本印刷の仕事で南仏で撮影してきた帰りだという。カフェでお茶しながらビエンナーレのことなどを話す。蔡さんと会って以来4日ぶりに話す日本語だ。安斎さんと分かれてサン・ジェルマン、カルティエ・ラタン界隈をぶらついて、最後にもういちどルーヴルへ。
[6月22日(日) 村田真]
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福井篤 霧状生活
  6/17〜7/6 ギャラリーTAF[京都]
 
  山並などの風景にも見えるが、実は部屋のなかや、身近にある衣服などの重なりを描いたものであったりする。今回は透明なメディウムで、気づかない人もいるほどささやかな曲線がチョロリと描かれている。目の前を小さな虫が飛ぶような症状は多くの人が経験したことがあると思うが、この飛蚊症と呼ばれる症状を絵のうえに再現したような作品である。
[6月22日(日) 原久子]
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