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『形成画報』岡田龍夫

Keisei Gaho, Tatsuo Okada
更新日
2024年03月11日

大正期新興美術運動の末尾を飾るタブロイド判芸術雑誌。1928(昭和3)年、かつてマヴォのメンバーであった岡田龍夫の個人出版社である形成画報社より発行。「マヴォ改題」という文字を表紙に打ち出し、マヴォの再興を目指したが、1号のみで休刊した。内容はマヴォの仲間だった者たちによる構成物の図版掲載、そして、岡田によるリノカット版画10数点を収録。岡田の版画は、アメリカの写真家チャールズ・シーラーによる工場風景やドイツ映画『メトロポリス』のワンシーンなどを翻案したもので、モノクロームのダイナミックな表現を行なっている。同時期、岡田はアナキスト詩人たちの雑誌『悪い仲間』(2巻10号より『文芸ビルデング』と改題)などにもリノカット版画を提供していた。そのほか、28年には札幌のアナキスト詩人たちのグループ・ネヴォ(マヴォをもじったもの)で、岡田が「造型舞踊会」を開催し、半裸で前衛的なダンスを踊ったことが知られる。

著者

補足情報

参考文献

『大正期新興美術運動資料集成』,五十殿利治、菊屋吉生、滝沢恭司、長門佐季、野崎たみ子、水沢勉,国書刊行会,2006