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「写真新世紀」展

“New Cosmos of Photography”
更新日
2024年03月11日

新人写真家の発掘・育成・支援を目的にキヤノンが文化支援活動の一環として主催しているコンテストで、受賞作家の展覧会も開催される。作品の形式や作家の年齢、国籍などを問わない公募形式であることから、多種多様な写真が集まる。来たるべき21世紀へ向けてとして1991年にスタートして以降、グランプリや優秀賞からオノデラユキ、大橋仁、大森克己、佐内正史、野口里佳、蜷川実花、澤田知子など国内外で活躍する作家を数多く輩出し、認知度も高い。ガーディアン・ガーデン主催による「ひとつぼ」展(2009年より「1_WALL]」展)とともに新人作家の登竜門的存在となっており、この賞を経て木村伊兵衛賞の受賞へと至るケースも少なくない。荒木惟経や飯沢耕太郎、南條史生らがレギュラー審査員を務め、2002年からは森山大道が加わっている。また、ゲスト審査員として海外からロバート・フランクやマーティン・パー、ボリス・ミハイロフ、サラ・ムーンなど著名な写真家を招聘していることも特徴的。アート・フォトグラフィー寄りの人材を多く輩出し、「ガーリー・フォト(女の子写真)」と呼ばれるムーヴメントのひとつの源流ともなった。

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補足情報

参考文献

『シャッター&ラヴ Girls are dancin’ on in Tokyo』,飯沢耕太郎,INFASパブリケーションズ,1996
『「女の子写真」の時代』,飯沢耕太郎編・著,NTT出版,2010