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鈴木メソッド

Suzuki Method
更新日
2024年03月11日

演出家の鈴木忠志が考案した俳優の訓練法。目的は日常生活のなかで退化してしまった身体感覚を意識化することにある。鈴木によれば、演技において言葉と身体所作にリアリティを与えるために必要なのは身体から放射されるエネルギーの質と量を使い分けることである。それが可能となるためにもっとも大事なものと鈴木が考えたのは、下半身の感覚と足の動かし方である。特に世界各地の舞台作品における俳優の下半身の動きを観察し、その基本的な身体感覚を習得することが目指される(必ずしも舞台上での創造的な演技とは関係がない)。また下半身の使い方だけではなく呼吸についても、自己でコントロールできる能力を養うことが求められる。モスクワ芸術座やニューヨークのジュリアード音楽院をはじめ世界中の教育機関で体系化された訓練法として取り入れられている。

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参考文献

『演劇とは何か』,鈴木忠志,岩波新書,1988