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2017年08月01日号のバックナンバー

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フォーカス

「未知の宝庫」をたずねて

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[2017年08月01日号(村田真)]

 編集部から、4月に書いた太田市美術館・図書館のレビュー★1を元に話を展開せよ、という依頼を受けた。レビューでは、太田市美術館・図書館はゆるやかな螺旋を描く建築構造から、ボルヘスの「バベルの図書館」を連想させること、展示室は図書室のあいだに分散し、作品を見ていく途中で膨大な図書をながめ、ときに立ち止まって読むことになるので、ほどよく気が散ること、作品鑑賞中に気が散るのは問題だが、そのことを前提に展覧会を企画すればこれまでにないものが生まれるかもしれない、といったことを書いた。では今後、「美術館・図書館」にどのような可能性が考えられるか、具体例を挙げて示せという注文だった。

【香港】草の根活動のその先に──香港アートのエコシステム

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[2017年08月01日号(長谷川仁美)]

 もしもアートのエコシステムが、①美術館、②市場(画廊、アートフェア、オークションハウス)、③草の根の小さなアートスペースやコレクティブの3つであるとしたら、香港は間違いなくほかの2つのフィールドに比べて①の美術館フィールドが弱いと言えるだろう。香港の現代美術のアーティストは、英国の置き土産であるアーツカウンシルの助成により生まれた多くの非営利のスペースで初期の作品を発表したあとは、香港アートセンターか香港芸術館での展示しかなかった。いままでは、である。

キュレーターズノート

北九州の挑戦的アートスペース「Operation Table(QMAC)」

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[2017年08月01日号(正路佐知子)]

 今号から、本枠で執筆の機会をいただけることとなった。福岡に来てもうすぐ丸10年になるが、特に近年、この地で起きていることを外に発信できていない風通の悪さが気になっていた。閉塞感のようなもの、これは私ひとりではなく福岡の美術関係者の多くも感じていることだと思うのだが、今年に入り、2つの動きが生まれている。ひとつは、九州・山口の展覧会情報を集約・発信するウェブサイト「ARTNE(アルトネ)」、もうひとつは公開編集会議を行ない、それをもとにweb版の美術誌を発行しようという「福岡アートジャーナル」である。これらの動きと並走しながら、この場でも今後、福岡を中心としたアートスペースや展覧会を紹介していきたいと思う。

「ラブラブショー2」を振り返って

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[2017年08月01日号(工藤健志)]

 ここ数年、「美少女の美術史」展や「成田亨 美術/特撮/怪獣」展など共同企画の仕事が続いていましたが、2012年の「Art and Air」展以来、5年ぶりにホームで自主企画展「ラブラブショー2」を担当しました。

山本理恵子「空白の頁」、吉岡千尋「sub rosa」

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[2017年08月01日号(中井康之)]

 荒々しい筆触による、男女のエロティックな行為を思い起こさせる山本理恵子の新作《dance》が、我々を喚起するのは、彼女の表現が「何事かを表意する(シニフィエ)ものではなくて、標示する(シニヤレ)ものだった」からなのであろう。「つまり、ここにあるのは、もはや単に伝達することとか表現することとかを機能とするのではなくて、言語(表現)の彼方を認めさせることを機能とするエクリチュールの見本なのだ。」

トピックス

Mémoire et Lumière Photographie japonaise, 1950-2000

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[2017年08月01日号(栗栖智美)]

 2017年6月28日から8月27日まで、Maison Européenne de la Photographie ville de Paris(以下、MEP)にて開催されている、「Mémoire et Lumière Photographie japonaise, 1950-2000」と題された日本写真のコレクション展示を俯瞰しながら、フランスにおける日本写真の受容について考えてみたいと思う。

アート・アーカイブ探求

絵金《浮世柄比翼稲妻 鈴ヶ森》邪気を払う妖美──「横田恵」

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[2017年08月01日号(影山幸一)]

artscapeレビュー

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