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2019年10月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【ベオグラード】ヨーロッパの端で起きていること──2019年のバルカン・アートシーン

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[2019年10月01日号(丸山美佳)]

ウィーンは東西ヨーロッパを接続する地政学的な中継ポイントの役割を果たしてきており、東から西への窓口(あるいは働き口)として東欧諸国出身の人々が多く暮らしている。友人や協働するアーティストが東欧諸国出身であるということもあり、日本において「ヨーロッパ=西欧」と学ぶものとは別の形で存在してきた歴史や芸術があることを身近に実感することも多い。それは「芸術」と一言で表している言葉が時代と場所によってまったく異なることを端的に示してくれる。もちろん、東欧といっても一言で括ることは出来ない。冷戦下の東西の境界を示す一方で、ソ連の影響を直接的に受けていた社会主義や共産圏、バルカン半島の北西部に広がる旧ユーゴスラビア諸国などそれぞれの歴史や社会的状況は、言語や民族、宗教、周辺諸国との関係性とともに異なってくる。

キュレーターズノート

協働のためのプラットフォーム──芸術祭事務局のためのノート

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[2019年10月01日号(勝冶真美)]

平成30年に行なわれた調査によると、過去10年に日本国内で行なわれた文化芸術のフェスティバルは約1,500に上るという。単純に10で割ったとして1年間に150もの「フェスティバル」が日本各地で開催されていることになる。増加傾向だと思われるから、現在はもっと多いかもしれない。

アッセンブリッジ ・ナゴヤ 2019/MAT, Nagoya Studio Project vol.5

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[2019年10月01日号(吉田有里)]

9月7日からスタートしたアッセンブリッジ ・ナゴヤ 2019。2016年から、港まちを庭に見立てた「パノラマ庭園」のタイトルのもと「移ろう地図、侵食する風景」を副題に2年にわたるプロジェクトを展開している。
アッセンブリッジ・ナゴヤがスタートしてからの4年間、港まちの風景は変化を続けている。建物の取り壊しや、商店の閉店、空き地や空き家の増加の一方で、駐車場や高層マンションの建設などが進んでいる。このようなまちの変化を受け止め、観察を続けるとともに、このエリアを起点としたアーティストの滞在や調査、パフォーマンス、コレクティブワークなど、制作活動の総体を「プロジェクト」と定義し、この場で生まれた新たな表現を紹介している。
今回は、前編として参加アーティストの中から、青崎伸孝、碓井ゆいを紹介する(後編は次回1/15号へ続く)。

芸術の自律性をいかに回復させるか──あいちトリエンナーレ2019から私たちが引き継ぐべき課題

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[2019年10月01日号(住友文彦)]

この連載は「キュレーターズノート」という名称で、展覧会レビューと自館事業の紹介を繰り返し行なっている。その定期的な報告が難しいと感じたのは東日本大震災のとき以来かもしれない。この8月から9月にかけて、なるべく普段通りの日常を過ごそうとする自分がいたのも確かだが、結局のところ、多くの時間が「あいちトリエンナーレ2019」をめぐって怒り、考えたことや知らなかったことをほかの人と共有し、いくつかの活動に参加することに費やされた。したがって、今回はいつもの連載とは異なり、「表現の不自由展・その後」展の中止とそれによって引き起こされた出来事をめぐって考えたことを書く。
※本稿は2019年9月22日時点で書かれたものであり、その後の経緯については加筆していません。

トピックス

「ICOM博物館定義の再考」が示すもの──第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会2019

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[2019年10月01日号(芦田彩葵)]

第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会2019のリポート第二弾。主要議題のひとつであり、開催前から関係者の間で成り行きが注目されていた「ICOM博物館定義の再考」について、キュレーターとしてミュージアムの現場を知り、博物館学の教鞭もとっている芦田彩葵氏に寄稿いただいた。(artscape編集部)

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