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2020年06月15日号のバックナンバー

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フォーカス

コロナ禍とともに歩むアート──ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW─光の破片をつかまえる」

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[2020年06月15日号(黒岩朋子)]

パンデミック宣言後にビエンナーレ、トリエンナーレ級の国際展をこぎつけた都市は、私の知りうる限りベルリンぐらいで、いち早くコロナを制したものの第二波が到来した韓国では、今秋からの光州ビエンナーレが来年に延期された。今年の横浜はどうなるのだろうと思っているひとも多いのではないだろうか。このような状況下でキュレーションを敢行するアーティスティック・ディレクターのラクス・メディア・コレクティヴ(Raqs Media Collective 以下、ラクス)の紹介と、きたるヨコハマトリエンナーレ2020についてメールインタビューを行なった★1。本稿では、彼らのこれまでの活動とあわせてその内容を紹介したい。

キュレーターズノート

搬入プロジェクトを山口で実施する

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[2020年06月15日号(渡邉朋也)]

山口情報芸術センター[YCAM]において、2020年7月25日に「搬入プロジェクト 山口・中園町計画」を実施すべく準備を進めている。「搬入プロジェクト」は、演出家の危口統之(1975〜2017)が主宰するパフォーマンス集団・悪魔のしるしの代表的な演劇プロジェクトのひとつだが、危口の死後、著作権が放棄され、パブリックドメインに移行した。しかし、パフォーマンスや建築をはじめとした複数の領域の技法が複合した本作は、作品としての明確なアウトラインを定義しづらい側面もある。なにをどうしたら「搬入プロジェクト」を実施したと言えるのか、仮に本作を改変したとしても、なにを改変したのか。どこか不明瞭な部分がつきまとう。実施にあたって、そんな複雑(でその実、単純)な本作の本質的な要素を抽出し、それをなんらかの方法で記述するための試みをひたすら繰り返している。その端緒を紹介したい。

「わからなさ」を共有すること──「国際アートコンペティション スタートアップ」展

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[2020年06月15日号(安河内宏法)]

KYOTO STEAM─世界文化交流祭─実行委員会は、2017年の発足以来、「アート×サイエンス・テクノロジー」を全体のテーマとして、ビエンナーレ形式の「フェスティバル」、芸術系大学を拠点に企業・研究機関と協働し、企業等から提供される技術や素材を活用し行われるワークショップ等を実施する「人材育成事業」、企業・アーティスト・大学等、多彩な専門を持つ人々が交流する場を作る「ネットワーク構築事業」の三つを相互に結びつけながら事業を展開してきた。2020年3月に開催した第1回目のフェスティバル「KYOTO STEAM─世界文化交流祭─ 2020」は、その成果を発表するものであった。

「非/接触のイメージ 斉木駿介、名もなき実昌」から、オンラインでの「非接触」とギャラリーでの「接触」へ

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[2020年06月15日号(正路佐知子)]

コロナ禍の美術界においてもオンラインでの取り組みは急速な発展を見せた。不可抗力とはいえ、オンラインコンテンツの可能性が共通に認識され、選択肢が増えたことは希望でしかない。しかし同時に、オンラインでの体験と直接の鑑賞体験は別物であるとの実感も増すばかりだ。
この期間に開催された企画はオンラインオフライン問わず、試行錯誤しながら美術と観客に対して誠実な態度を見せていたが、そのなかでも福岡で出会えたフレッシュな経験をここに記しておきたい。

アート・アーカイブ探求

[特別編2:絵の中の絵を見る]画中画の超越性──
ダーフィット・テニールス(子)《ブリュッセルのギャラリーにおけるレオポルト・ウィレム大公》

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[2020年06月15日号(影山幸一)]

artscapeレビュー

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