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2022年06月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【NY】ホイットニー・バイエニアル2022にコロナ以降のアメリカ現代社会を見る

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[2022年06月01日号(梁瀬薫)]

1932年から開催されているホイットニー・バイエニアルの80回目。今回の参加は63作家。
昨年はコロナ禍の影響で延期となり、3年ぶりの開催となった今年のオープニングは多くのメディアやアーティストで賑わった。ホイットニー・バイエニアルは開始当初から、アメリカ社会の声を反映するようなアート作品が常に論議を呼び起こしてきた。さて、今年のバイエニアルはどんな物議を醸しているのだろうか。

キュレーターズノート

「コレクション」を考える(4)──栃木県立美術館50年分のコレクションの歴史

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[2022年06月01日号(志田康宏)]

栃木県立美術館は、公立の近代美術館の先駆けとして1972 年11月3日に開館し、今年開館50周年を迎えた。それを記念し、2022年4月16日(土)から6月26日(日)まで、企画展「題名のない展覧会─栃木県立美術館 50年のキセキ」展を開催している。この展覧会は、50年の歴史のなかで収集・蓄積されてきた館蔵コレクションに光を当て、美術館の開館時からどのように作品を集めてきたか、学芸員の調査研究により、どのような作家を発掘し展覧会を開いてきたかを振り返る展覧会である。当館では通常、企画展は1人の学芸員が担当するが、今回は中堅・若手4人でタッグを組んだ。多岐にわたるコレクションを網羅し、それぞれの専門性を生かした新鮮な眼でコレクションの魅力の掘り起こしをはかるとともに、教育普及的な視点も盛り込み、単なる名品展ではなく館の歴史や特徴を示す内容の展覧会となっている。
本稿では、担当学芸員のひとりとして、栃木県立美術館の50年に着目した本展を辿ることを通して、地方公立美術館が蓄積してきた大規模コレクションの形成史の一端を紐解いてみたい。

#ResidenciesWithoutBordersの取り組み

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[2022年06月01日号(勝冶真美)]

ロシア軍のウクライナ侵攻が始まって3カ月。ウクライナの人口の約4分の1、1400万人以上がウクライナ国内外で避難を強いられ、日本に避難した人は1040人を数える(5月22日現在)。いまだ先が見えない状況のなか、長期化すれば人々の関心も薄らぐ。政治に左右されない立場で、長期的に、ウクライナだけではなくさまざまな紛争地等から避難するアーティストを支援していこうとする動きが日本でも始まっている。(artscape編集部)

アートで四国をつなぐとは? 「芸術の四国遍路展」

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[2022年06月01日号(橘美貴)]

アーティストのパルコキノシタが主導する「芸術の四国遍路展」が2022年の1月から四国4県を巡回している。本展はサブタイトルに「現代アートで四国をひとつに!」と掲げるように、四国という地域にフォーカスした展覧会だ。参加した14名の現代アーティストは、ほとんどが四国出身や在住者で、半数近い作家が四国の伝承や環境を取り入れた作品を展示している。また、パルコや富松篤、柳本悠花など東日本大震災の影響を映し出した作品が並んでいるのは特徴として挙げられるだろう。
しかし、会場に展示されている作品のなかに、例えば「四国とはなんぞや」というような話はほとんど出てこない。本展は、四国について訴えかける作品の展示ではなく、巡回を通して四国で制作する作家の存在やその創作を見せること、また四国のアートシーンを取り巻くさまざまな立場の人々がつながりうる場を興すことが重要だったように思う。本稿では、四つの会場と参加した14名の作家を紹介しながら、本展を振り返る。

トピックス

[PR]芸術家はどのようにものを見て、作品をつくるのか──ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画─セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策(アーティゾン美術館)

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[2022年06月01日号(新畑泰秀/藤村里美/artscape編集部)]

近代美術と現代の二人の写真家、柴田敏雄と鈴木理策の作品を対峙させながら、写真と絵画の関係を探るハイブリッドな展覧会が現在、アーティゾン美術館で開催中だ。企画したアーティゾン美術館の学芸員 新畑泰秀氏、また、東京都写真美術館の学芸員であり、2008年に柴田敏雄の個展★1を企画した藤村里美氏に、二人の写真家が読み解くセザンヌ、雪舟、そして芸術家が追求する「ものを見る」ことから作品化へのプロセスについてお話しいただいた。(artscape編集部)

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