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2022年11月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【ロサンゼルス】ジャッキー・アップル──エコフェミニストの旅立ち

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[2022年11月01日号(キオ・グリフィス)]

ジャッキー・アップル(JACKI APPLE)の華麗なるラスト・パフォーマンスは自宅のタウンハウス2階の寝室で催された。当事者主催、演出もすべて計画的にセルフ・プロデュース、参加者は口伝えの招待のみで集まった。会場のステージであるキングサイズのベッドはライフワークの資料で覆われていて、それは毛布のように彼女を包んでいた。主治医は看護師と奥のドアから入り、客間を通り抜け、サイドテーブルのランプ越しの椅子に着席した。鞄の中のものは舞台の小道具のようにテーブルの上に丁寧に並べられた。医師は道具を順番に手にし、まるで指揮棒を振るように演じだした。緊迫した空気には、彼女が好きだった甘い金木犀の香りがほのかに放たれた。

キュレーターズノート

ニューヨークの芸術における障害とアクセシビリティの現在

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[2022年11月01日号(田中みゆき)]

私は今年の7月からアジアン・カルチュラル・カウンシルのニューヨークフェローシップでニューヨークに滞在している。ニューヨーク大学の障害学センタータンドン・スクール・オブ・エンジニアリングの客員研究員として、ニューヨークを中心としたアメリカにおける芸術に関するアクセシビリティやインクルーシブなプログラムの動向を調査している。現場の話だけでなく、アメリカにおける障害を巡る理論や文化について学びたかったので、大学院で障害学の授業を取りながら調査を進めている。今回は日本にいたときにはもちえなかったアクセシビリティに対する価値観の変化について書きたいと思う。

もしもし、キュレーター?

第5回 その町で一人ひとりが能動的になること、活性化すること──赤井あずみ(鳥取県立博物館/HOSPITALE)×尺戸智佳子(黒部市美術館)[後編]

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[2022年11月01日号(赤井あずみ/尺戸智佳子/杉原環樹)]

学校と連携して教育普及事業を展開したり、地域と美術館をつないだり──従来の「学芸員」の枠組みにとらわれずユニークな活動を展開する全国各地のキュレーターにスポットをあて、リレー形式で話を聴きつないでいく対談連載「もしもし、キュレーター?」。前号に引き続き今回は、黒部市美術館の尺戸智佳子さんが以前からその活動の幅広さに注目していたという、鳥取県立博物館の赤井あずみさんを訪ねます。
ご自身の出身地である鳥取を拠点に、「HOSPITALE PROJECT」や「ことめや」といった試みの場をいくつも立ち上げ、人を呼び込み、次の出来事につなげていく。人と場を起点とした多様なかたちのプロジェクトを通して、地域とアートの接点を増やしていくその様子は、つい仲間に加わりたくなる不思議な魅力を纏っていました。そんな鳥取のキーパーソン・赤井さんの秘密に迫る対談を、前後編でお届けします。後編の今回は、2025年春の鳥取県立美術館の開館に向けた試みについてや、人口の少ない地域ならではのアートの成り立たせ方について。(artscape編集部)
[取材・構成:杉原環樹/イラスト:三好愛]

※対談の前編「どうせ学ぶのであれば、誰かと一緒に学びたい」はこちら
※「もしもし、キュレーター?」のバックナンバーはこちら

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