橋詰宗: 2010年2月アーカイブ

先日、Suzuki Åfficeの関連イベントとして開催された "SOCIAL PASTA 7"に参加してきました。このイベントはロンドンでÅbakeやその友人が不定期に開催している夕食会・ワークショップで、日本での開催は今回がはじめてになります。


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2月10日に発売されました誠文堂新光社のグラフィックデザイン雑誌『アイデア』339号の特集、「ぼくらのデザイン、みんなのデザイン」に作品を掲載していただきました。4ページにわたって、ミナ・ペルホネン、YCAMなどの最近の代表的な作品の紹介をしていただき、あわせてゼロ年代のデザインとこれからのデザインについてのインタビューも掲載されました。また、同号巻末に収録された「2000年代雑誌ガイド──日本の場合」の紙面デザインも担当させていただきました。

これまで、『アイデア』というとみなさんのイメージされるように20世紀のデザインの巨匠やゼロ年代に入ってからはかなり個性的な特集の記事で話題をつねに集める雑誌です。僕も父が仕事の関係で購読をしていたので子どもの頃から手にしていた、いわゆるデザインの王道の雑誌として有名ですが、今回は主に20代後半〜30代後半の活躍するデザイナーにフォーカスをあてて特集が組まれています。

タイトルが示すとおり、これまでとデザインのあり方が着実に、そして急速に変わろうとしています。そんな流れに編集長の室賀さんも非常に敏感にアンテナを張っていて、今回光栄なことに記事を書いていただくことになりました。

東京ピストル、原田さん、中野くんといった同世代のデザイナーが一同になっている事だけでもとても嬉しかったのですが、個人的に良かったなと思うのはそんな若手といわれる人たちの声を文字でしっかり読めた事です。それぞれのデザインにももちろん個性が表われているのですが、同時にそれぞれの思うデザインへの姿勢、眼差しは明らかにこれまでのデザインの思想から一歩踏み出したものになっています。

産声を上げたその時から産業と共に極度な専門領域として発達してきたデザインという考えが、ここに文章を書いているデザイナーや周囲で確実に他領域にわたった活動へと変貌していっています。「デザイン」という主体的な行為ではなく、価値や認識が変わるきっかけを与えることのできる足場のような役割にデザイナーの使命は変容しているように思います。そんなことをこのアイデアの文章を読んで再認識したと共にこれからだぞ!とみんながお互いにそれぞれの背中を押してくれているような、とても嬉しくなる特集です。大手書店ではだいたい取り扱いもありますし、近所の自分のお気に入りの小さな本屋でもかまいません。ぜひいちど手にとって読んでみてください。

下記の『アイデア』のブログにも情報が掲載されていますのであわせてご覧いただけると光栄です。
http://www.idea-mag.com/jp/publication/339.php

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