最近なんだか忙しくて、10日ぶりの投稿です。
今回は10月中旬に青森県の八戸市と十和田市を巡ってきたときのレポートをアップしたいと思います。何気に青森についてはホテル山上以来の投稿です。皆さんご存知かと思いますが、十和田市は昨年十和田市現代美術館がオープンし、多くの人が美術館を目的にまちを訪れ、かなり盛り上がっています。一方で八戸市は十和田市から車で40分程度で新幹線の駅もある太平洋側の都市で、青森県内ではわりと活気のあるのまちです。八戸では立木祥一郎さんという以前は青森県立美術館準備室で美術館立ち上げに尽力され、2006年には弘前市で奈良美智+graf A to Zを実現した中心実物でもある方が、現在teco LLCという合同会社を起こして事務所を構えていらっしゃいます。その事務所の場所がもと麻雀荘でかなりいい感じで、今後おもしろそうな展開をしていくのではないかと思います。
↑teco LLCのオフィス。雀荘の看板がいいです。
今回は10月中旬に青森県の八戸市と十和田市を巡ってきたときのレポートをアップしたいと思います。何気に青森についてはホテル山上以来の投稿です。皆さんご存知かと思いますが、十和田市は昨年十和田市現代美術館がオープンし、多くの人が美術館を目的にまちを訪れ、かなり盛り上がっています。一方で八戸市は十和田市から車で40分程度で新幹線の駅もある太平洋側の都市で、青森県内ではわりと活気のあるのまちです。八戸では立木祥一郎さんという以前は青森県立美術館準備室で美術館立ち上げに尽力され、2006年には弘前市で奈良美智+graf A to Zを実現した中心実物でもある方が、現在teco LLCという合同会社を起こして事務所を構えていらっしゃいます。その事務所の場所がもと麻雀荘でかなりいい感じで、今後おもしろそうな展開をしていくのではないかと思います。
↑teco LLCのオフィス。雀荘の看板がいいです。
立木さんは現在八戸ポータルミュージアム(8pm)という複合施設の2010年立ち上げにむけて活動を展開されています。立木さんたちはこの新しい建築の
ソフト計画を担当されているそうです。これは本八戸駅前に新しくできる複合ビルを中心とした市街地活性化計画で、元々「八戸市中心市街地地域観光交流施設」という仮称で進められていたようです。八戸市のウェブサイトによると、基本的には観光や商業をベースにしていて、市民や観光客が集い、クリエイターがオフィスを構え、まちの玄関口として情報を集積発信する場所となるようです。と言われてもわりと抽象的で曖昧ですが、要はまちに賑わいを与える起爆剤となってほしいと
いったところでしょうか。その具体的な手法として、アーティスト・イン・レジデンスなど常に人がその施設に滞在して活動を展開出来るプログラムを実施するために、制作スタジオや音楽やダンスなどを催すイベント空間や展示空間も内包させるような、市民だけでなく、同時に外からの人も取り込めるようなプランを立木さんたちが提案されているようです。
↑提案プランのイメージドローイング。建築を立ち上げるときの書類としてはかなり珍しい感じですが、明解でユーモアも感じられて、色使いとかもどちらかというと南国的で面白いです。
市民を取り込む方法としては"市民ワーキング"という市民参加型のディスカッションなどを通して、まちと住人と関わりながら具体的な内容を検討し、提案するソフトを浸透させていくという手法をとっています。ちょっとお聞きした話とウェブからのぱっと見の印象ですが、ここの活動が面白そうな点は、無駄にアー トアートと叫ばないで"食"や"住空間"など生活に直結する部分を起点に、少しだけずらした地点から枠組みをつくっていって、そこにある種の活動として アートを挿入していき「まちでなんか色々起こっているな」という印象を築いておいて、いつの間にかそこにいた人がアートに関わっているという感じで展開し ているところでしょうか。結構僕が個人的に考えている問題ともつながりがあって興味深いなと思っています。
"八戸横丁アートプロジェクト「酔っ払いに愛を」"なんて、結構気になります。これはアサヒアートフェスティバルの一環として実施していました。いずれにしても、今後どんなふうに展開していくのか見守りたいと思います。
僕がteco事務所を訪問したとき立木さんは不在で、永岡さんというスタッフの方が案内してくれました。永岡さんは山口大学の建築学科出身で、不思議な縁で八戸に来てしまったようです。僕の前の職場でJCDNさんと共催で実施したDance×Music vol.2というコンテンポラリーダンスのプログラムとかも見に来てくれていて、そういうのも八戸にたどり着いた間接的な影響にはなっていたみたいです。いずれせよ、同じ都市を経験した人とこんなところで出会えるのはなんだかうれしいことです。
↑永岡さんです。
その後永岡さんの案内で十和田市現代美術館にも行ってきました。この日はちょうど"SUMOUAURA(相撲オーラ)"という企画展の最終日で、終了間際 に滑り込みました。SUMOUAURA(相撲オーラ)展をキュレーションしているのも立木さんで、最終的に美術館で立木さんにもお会いすることが出来まし た。日本の国技"相撲"に現代アートの視点で切り込んでいくというもので、熊谷晃太さん、芝川敏之さん、村上タカシさん、kosuge1-16さん、 wowlabさんが参加されていました。個人的に印象に残ったのは熊谷晃太さんの作品。熊谷さんは弘前大学出身で、元acacのスタッフでもあり、絵画をベースに作品を制作しています。ロン・ミュエックへのオマージュというかパロディ的なコラージュも面白かったけど、彼のボールペン画のドローイングがすごく気になりました。かえるやカラスがまわしをして蹲踞の体勢を取っている絵で、もしもっと大きなドローイングになっていたらと思うと、ちょっとぞくっときま した!彼のようにすごく自然に地元をベースに独自のペースで活動を広げていく人が増えていくといいなあと思うと同時に、そういう人を少しずつ発見していけたら楽しくなるだろうと思います。今後ちょっとずつリサーチしていきます。
↑熊谷くんの作品。下の2点がボールペン画です。
↑芝川敏之さんのインスタレーション。ご自身の研究室をそのまま引っ越して来た感じ。
ちなみになぜかこの日は展示の撤収までお手伝いして、最後に十和田名物のバラ焼きを食べて青森市に戻りました。十和田もこれからもっと面白くなりそうです。
↑提案プランのイメージドローイング。建築を立ち上げるときの書類としてはかなり珍しい感じですが、明解でユーモアも感じられて、色使いとかもどちらかというと南国的で面白いです。
市民を取り込む方法としては"市民ワーキング"という市民参加型のディスカッションなどを通して、まちと住人と関わりながら具体的な内容を検討し、提案するソフトを浸透させていくという手法をとっています。ちょっとお聞きした話とウェブからのぱっと見の印象ですが、ここの活動が面白そうな点は、無駄にアー トアートと叫ばないで"食"や"住空間"など生活に直結する部分を起点に、少しだけずらした地点から枠組みをつくっていって、そこにある種の活動として アートを挿入していき「まちでなんか色々起こっているな」という印象を築いておいて、いつの間にかそこにいた人がアートに関わっているという感じで展開し ているところでしょうか。結構僕が個人的に考えている問題ともつながりがあって興味深いなと思っています。
"八戸横丁アートプロジェクト「酔っ払いに愛を」"なんて、結構気になります。これはアサヒアートフェスティバルの一環として実施していました。いずれにしても、今後どんなふうに展開していくのか見守りたいと思います。
僕がteco事務所を訪問したとき立木さんは不在で、永岡さんというスタッフの方が案内してくれました。永岡さんは山口大学の建築学科出身で、不思議な縁で八戸に来てしまったようです。僕の前の職場でJCDNさんと共催で実施したDance×Music vol.2というコンテンポラリーダンスのプログラムとかも見に来てくれていて、そういうのも八戸にたどり着いた間接的な影響にはなっていたみたいです。いずれせよ、同じ都市を経験した人とこんなところで出会えるのはなんだかうれしいことです。
↑永岡さんです。
その後永岡さんの案内で十和田市現代美術館にも行ってきました。この日はちょうど"SUMOUAURA(相撲オーラ)"という企画展の最終日で、終了間際 に滑り込みました。SUMOUAURA(相撲オーラ)展をキュレーションしているのも立木さんで、最終的に美術館で立木さんにもお会いすることが出来まし た。日本の国技"相撲"に現代アートの視点で切り込んでいくというもので、熊谷晃太さん、芝川敏之さん、村上タカシさん、kosuge1-16さん、 wowlabさんが参加されていました。個人的に印象に残ったのは熊谷晃太さんの作品。熊谷さんは弘前大学出身で、元acacのスタッフでもあり、絵画をベースに作品を制作しています。ロン・ミュエックへのオマージュというかパロディ的なコラージュも面白かったけど、彼のボールペン画のドローイングがすごく気になりました。かえるやカラスがまわしをして蹲踞の体勢を取っている絵で、もしもっと大きなドローイングになっていたらと思うと、ちょっとぞくっときま した!彼のようにすごく自然に地元をベースに独自のペースで活動を広げていく人が増えていくといいなあと思うと同時に、そういう人を少しずつ発見していけたら楽しくなるだろうと思います。今後ちょっとずつリサーチしていきます。
↑熊谷くんの作品。下の2点がボールペン画です。
↑芝川敏之さんのインスタレーション。ご自身の研究室をそのまま引っ越して来た感じ。
ちなみになぜかこの日は展示の撤収までお手伝いして、最後に十和田名物のバラ焼きを食べて青森市に戻りました。十和田もこれからもっと面白くなりそうです。
はっとりです。
立木さんご本人に確認していただいたところ、八戸ポータルミュージアム(通称はっち)は2011年2月11日開館予定だそうです。また、八戸事務所はソフト計画の完了に伴い一旦撤収されたそうです。今後は青森市の事務所を拠点に更なる展開を計画されているようです。
立木さんご確認ありがとうございました!