橋詰宗: 2010年4月アーカイブ

今回の投稿が最後の投稿になりますが、ここ数カ月で思ったこと、そしてこれからの活動内容をひとつ。

このブログ開始と丁度同じ頃来日し、なんども投稿でとりあげたAbakeたちが先日3ヶ月のレジデンスを終え、ロンドンに旅立っていきました。僕もRCA時代からの付き合いもあり、かなり頻繁に彼らと行動に共にしたり、一緒に蕎麦を作って映画を鑑賞したり、本屋で食事会をしたりしました。最近では彼らの出版物に関するレクチャーをワークショップ形式で行ったりと、短い時間でしたが非常に内容が濃い時間をいっしょに過ごしました。

丁度いまTokyo Wonder Siteで彼らの展示会をやっていますが、その展示を見て改めて再認識したのは、彼らが東京という未知の場所に滞在し、そこでパーソナルに感じた事やコンテキストをたくみに操って作品を制作している事です。いま展示中のSuzuki Hotelというホテルも渋谷の某公園にひっそりと建てられ、訪れる人を待ち続けています。彼らが行ったSuzuki Afficeも東京の秘密の場所、目に入らない場所という情報をうまくあやつって作品を作っていました。

展覧会といった特別な場所でも長い時間彼らと過ごしましたが、思ったのは彼らの中でものを作ること、選ぶこと、音楽をきくこと、人とあうこと、話すこと、食べること、そいういったこと全ての中に境界がなく、つねにそれらを並列なものとしてうけとめてその中から面白いことを発見していく眼差の重要さでした。東京にいると恐らく永遠に気づかない、そしてヨーロッパに滞在していた僕らのような人間でも帰国後時間がたってしまうと忘れがちなことを再認識させてくれました。

彼らがこの数カ月で行ってきた実践はこれからの東京で何かを行う原動力にきっとなると思ってます。それはAbakeと関わりをもった人たちみんなが思っていることだろうし、そんなみんなでいま東京でいままでにない仕組みを作ろうという動きも少しづつでてきています。

個人的なところでは来月の5月下旬、目黒のCLASKAというホテルの2フロアを利用してDIYをテーマにしたイベントを企画しています。DIYとは日本人のイメージする日曜大工としてのそれではなく、モチベーションを指す言葉として使われていて、日常パッシブな状態で日々を過ごす事から一歩前進し、身の回りのものやことをたくみに組み合わせて生活をゆたかにするという意思がこめられていて、そのイベントでは会場に来た人と参加クリエイターや企業が共にものを作る、という事を考えています。そんな人と人とがつながるための足場づくりそのものも、編集的な作業と思っていて、デザイナーという職業を行いながら同時にそのような活動を今後は拡張していければと思っています。イベントの詳細については後日CLASKAのホームページ等で掲載されると思いますのでどうぞお楽しみに。

短い間でしたがどうもみなさんありがとうございました。
それではまた!

ブロガー

最近のブログ記事

月別アーカイブ