現代美術用語辞典 1.0
グッゲンハイム美術館ビルバオ
Guggenheim Museum Bilbao
2009年01月15日掲載
スペイン・バスク政府と、1937年に設立されたソロモン・グッゲンハイム財団によって運営される美術館で、同財団のフランチャイズであるソロモン・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、グッゲンハイム美術館ソーホー(ニューヨーク)、ペギー・グッゲンハイム・コレクション(ヴェニス)、ドイチェ・グッゲンハイム(ベルリン)に続き97年、スペインの再開発地区ビルバオに建設され、フランク・ゲーリーの手になる建築外観が開館前から話題を呼んだ。財団のコレクションをもとに、展示室総床面積11000平方メートル、建物全体床面積は24000平方メートルにも及ぶ巨大空間に、ポップアート、ミニマリズム、アルテ・ポーヴェラ、コンセプチュアル・アート、抽象表現主義を中心とする欧米戦後美術を中心とした作品を常設展示し、コンテンポラリーアートの企画展を常時開催する。衰退した製鉄産業に代え、美術館を中心とした観光産業に当地の経済建て直しを期待するバスク政府と、ヨーロッパに新しい現代美術の拠点を創設する野心に燃えるグッゲンハイムのディレクター、トーマス・クレンスの思惑が交錯するこの巨大な美術館が、今後現代美術の一大舞台となることは間違いない。
[執筆者:宮川暁子]