現代美術用語辞典 1.0

グループ・ゼロ

Group Zero
2009年01月15日掲載

1957年、西ドイツ、デュッセルドルフでH・マック、O・ピーネにより結成されたグループ。後にG・ユッカーが加わっている。66年に解散。戦後ドイツ社会に、創造の始源である沈黙、すなわちゼロ地点を見出し、過去のドイツ表現主義等の伝統と訣別し、具体性や指示性を一切破棄した純粋抽象を目指した。光や色彩、時間や運動への関心から、煙や水、ネオンサイン等多様な素材を作品に取り込んでおり、最も知られた作品としては、巨大な気球に着色ガスを詰めて照明をあてた、ピーネの《光のバレエ》がある。彼らの芸術は、戦後ドイツでいち早く世界に注目されたものであり、デュッセルドルフは前衛の拠点と目されることになった。後にJ・ボイスが同地を活動の場と定めたことも無縁ではないだろう。

[執筆者:苅谷洋介]

現代美術用語辞典 2.0

▲ページの先頭へ