現代美術用語辞典 1.0
コーポレイト・カルチャー
Corporate Culture
2009年01月15日掲載
そもそも企業の社風、気風といった語であり、会社内のしきたりといった意味合いが強く、70年代まではどちらかといえば、社会諷刺のひとつとして懐疑的に見られていたものであるが、現在は、企業が培ってきた文化自体を企業が自覚しはじめ、それを店鋪デザインやグラフィック、製品ラインナップ、などに展開することで、企業イメージを高めるマーケティング戦略がとられる。80年代から90年代にかけての企業メセナ・ブームの際には、文化支援に各企業とも力を入れていたが、経済停滞期においては、ブランド・アイデンティ、コーポレイト・アイデンティティとしてのコーポレイト・カルチャーが見直されている。ソニーが社風とする技術革新的なデザイン提案の徹底は、ソニーの生み出す製品を世界的な規模で認知させ、またデザイン自体がその社風の具体化であるため、製品に一貫性がある。欧米のファッション・ブランドや電気機器メーカーなどではブランド戦略と一致している場合も多い。
[執筆者:紫牟田伸子]