現代美術用語辞典 1.0
CAD
Computer Aided Design
2009年01月15日掲載
コンピュータを活用した設計技術、もしくはそのために開発されたパソコン用ソフトウェアの総称。製図版の上で、紙とインクと定規を用いて行なわれる従来のアナログな設計技術との対比で、デジタル・デザインと呼ばれることも少なくない。アナログな技法と比べた場合、画面の作成や修正、データの保存など多くの作業を効率化でき、大幅なスピードアップが図れることから、コンピュータのハード・ソフト双方の低価格化に伴い急速に普及した。現在では、設計事務所でも大学等の建築教育でも広く用いられており、コンピュータに日常的に接している若手建築家にとっては、設計=CADといっても過言ではない。三次元の完成作品を容易にイメージできることも利点のひとつであり、それはヴァーチュアル・アーキテクチャーの可能性と不可分の関係にある。もっとも、CADの普及がもたらしたデザイン原理の変化がいかなるものであるのかは、未だ明確になっていない。
[執筆者:暮沢剛巳]