現代美術用語辞典 1.0

EAT

Experiments in Art & Technology
2009年01月15日掲載

1966年にスウェーデンの技術者B・クリューヴァーやR・ラウシェンバーグ、J・ケージらが発足させた運動組織。ニューヨークを拠点に、ダンス、電子音楽、ヴィデオ上映など芸術とテクノロジーを融合させるさまざまな試みを展開したが、とりわけ66年10月に開催されたプログラム「劇場と工学の9夜」は、B・フラー、G・ケペッシュらが参加し、大きな反響を呼んだ。芸術家と科学者の協同としては、60年にパリで旗揚げされた視覚芸術探求グループ(GRAV)などの先例があるが、EATの場合は、その実験が60年代後半以降の「パフォーマンス」の展開に大きな影響を与え、またその協同のあり方が「コラボレーション」の指針を示すものであったことなどが運動の評価を高めている。67年、ケペッシュがマサチューセッツ工科大学(MIT)に「先端視覚研究センター」を開設した目的も、そもそもはEATの理念を継承していくことにあった。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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