現代美術用語辞典 1.0

ICC(NTTインターコミュニケーション・センター)

ICC (NTT InterCommunication Center)
2009年01月15日掲載

「電話100年記念事業」としてNTTが開設した、科学技術と芸術文化のコミュニケーションをテーマとするメセナ施設。浅田彰、伊藤俊治、彦坂裕をコミッティとして1990年にプロジェクトを発足し、91年からの諸企画を経て97年東京・初台のオペラシティ内2フロアに開館。映像作品と参加型中心のメディアアートの収集・データベース作成・展示のほか、スタジオやシアターを有し、ネットワーク機能を活かした企画展・パフォーマンス・コンサート・ワークショップ等を行なう。91年に開始した年1回のプレ・イヴェント「インターコミュニケーション」では、電話回線を利用してアーティストの作品にアクセスする「電話網の中の見えないミュージアム」などを開催。1992年には季刊誌『インターコミュニケーション』と単行本シリーズ『ICC Books』を創刊。93年開始の「ニュースクール」ではメディアアートのワークショップやレクチャーシリーズを実施した。94年に開設されたICCギャラリー(南麻布)での諸展覧会を経て、97年のワーク・イン・プログレス形式の現ICC開館展「海市──もうひとつのユートピア」では、ウェブ上で会期中の制作経過を逐次伝えると同時にメールによる反応を随時会場で模型化するなど、サイトへの来訪者をも展示構成に組み込む試みがなされた。 参考文献:『 ICCコンセプト・ブック』(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、NTT、1997)

[執筆者:三本松倫代]

現代美術用語辞典 2.0

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