現代美術用語辞典 1.0
サロン・ドートンヌ
Salon d'Automne
2009年01月15日掲載
現存する芸術家の作品を定期的に展示するフランスの展覧会、すなわち「サロン」の代表的なもののひとつ。毎年秋に開かれる。「サロン」の名称は、ルーブル美術館内の「サロン・カレ(方形の間)」で行なわれたことに由来し、元来、政府主催、審査制度をその特徴とする固有名詞であった。が、1881年にその「サロン」が民間の組織として独立して以来、多くのサロンが設立された。そのなかでも代表的なものが、この「サロン・ドートンヌ」である。「サロン・ドートンヌ」はF・ジュールダンを中心とし、H・マティス、G・ルオー、A・マルケ、E・ヴュイヤールによって創立され、すでに大家となっていたA・ルノワール、O・ルドン、J・K・ユイスマンスらに支持された。後にA・ドラン、M・D・ヴラマンク、K・ヴァン・ドンゲン、G・ブラックが参加するなどし、フォーヴィスムやキュビスムが展開する場となる。
[執筆者:保坂健二朗]