現代美術用語辞典 1.0
サンパウロ・ビエンナーレ
São Paulo Biennale
2009年01月15日掲載
ブラジル、サンパウロで1951年より開催されている国際美術展覧会。隔年制であり、ヴェネツィア・ビエンナーレ開催と重複しない年に、サンパウロ近代美術館を中心とした会場で行なわれる。基本的には国ごとのコミッショナー制を採り、そのコミッショナーがアーティストの人選を決定する。日本の場合、国際交流基金から委嘱を受けた委員会がコミッショナーを決定、過去に三木多聞、東野芳明、酒井忠康らがその任を果たしている。ブラジルは日系人が多いためか、日本人アーティストが注目されることも多く、特に80年代まで、多くの日本人アーティスト(斎藤義重、松沢宥、川俣正等)が、このビエンナーレをきっかけに世界的に知られることとなった。近年ではドクメンタ等に押されてこのビエンナーレの影は薄く、どうにか個性を押し出そうと主催者(サンパウロ・ビエンナーレ財団)は苦慮しているようである。
[執筆者:苅谷洋介]