現代美術用語辞典 1.0

システミック・ペインティング

Systemic Painting
2009年01月15日掲載

1966年、批評家L・アロウェイはグッゲンハイム美術館において、円や山形といった単純な幾何学的形態をモチーフとする抽象絵画の展覧会を組織したが、その系列の一貫性も与って、展覧会のタイトルであった「システミック・ペインティング」は、一時期抽象絵画の新動向を示す指標として盛んに喧伝された。とはいえ、この命名はその前々年にカウンティ・ミュージアムにて開催されたC・グリンバーグ企画の「ポスト・ペインタリー・アブストラクション」展を周到に意識した結果生まれたもので、今日では「抽象表現主義」の一傾向として解釈されている。その事実を踏まえてなお、「システミック・ペインティング」がその内部で今でも独自性を保っていると仮定するなら、この傾向を代表する作家としてK・ノーランドの名を挙げておくべきだろう。

[執筆者:暮沢剛巳]

現代美術用語辞典 2.0

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